実践力診断講座」による教員の資質向上
−プレ講座からパーソナルロードマップの作成へ−

実施計画


内容

本プロジェクトは以下の事業から構成される。

  1. 大学院における「実践力診断講座」の開設
  2. 「実践力強化講座」および「フォローアップ講座」の充実

「実践力診断講座」は新たに開設し、「実践力強化講座」および「フォローアップ講座」はこれまで実施してきた授業や事業を充実・拡大する。それぞれの事業のねらいと内容はプロジェクトの概要図と以下に示すとおりである。

1)「実践力診断講座」の開設

プロジェクト進行図

大学院入学者は、入学前から「プレ講座」によって準備を進め、入学後は「実践力診断シート」「エゴグラム」による診断を受けた後、半年にわたる「実践力診断講座」を受講し、最後に「パーソナルロードマップ」によって、その後の学習の方向付けを示される。それにしたがって、残りの1年半は通常の専攻専修に必要な科目に加えて、「実践力強化 図2 プロジェクト進行図講座」を受講する。(図2参照)


プレ講座

現職教員は、入学が確定した後、入学するまでの間に、大学の「診断チーム」の指示に従って実践力診断のために必要な資料・材料を収集する。具体的には、

1.自分の授業をビデオで収録する。
2.授業で用いた教材や資料をファイルしておく。
3.学校における様々な問題場面での自分の対応とその結果を記録しておく。
4.これまでの教職経験をふり返り、印象に残っている授業の記録や研究会での発表資料を収集しておく。

2〜4をあわせて、各人の「ポートフォリオ」を作成し、入学時に大学に提出する。 大学側の「診断チーム」は、定期的にこの段階で面談を行い、対象者とのコミュニケーションをはかるとともに、ビデオ録画のためのTA の派遣など必要な援助を行う。

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「実践力診断シート」および「エゴグラム」による診断

現職教員が自身の教職活動を振り返り、実践者として、さらに教師集団および地域社会のリーダーとしての課題を発見することをねらいとして、「教科指導力」「生徒指導力」「保護者・地域対応力」「現代的課題への対応力」「学校マネジメント力」の5点について「実践力診断シート」を開発し実施する。また、合わせて、実践力のベースとなる対人関係能力について気づかせ、教師としての自己の特性を明らかにするために、TEG 東大式エゴグラムに修正を加え「教師用エゴグラム」を作成し実施する。

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実践力診断講座

「実践力診断」の診断は、どの教職ライフステージにおいても求められる「教科指導力」「生徒指導力」「保護者・地域対応力」「現代的課題への対応力」と、中堅以上の教員に求められる「学校マネジメント力」の4ないし5の診断項目に基づいて行われる。「実践力診断講座」では、プレ講座で収集した材料と診断シート・エゴグラムの結果を利用しながら、集団の中で、他者のものの見方との比較や、他者からの評価をもとに実践力を診断する。具体的には、事例研究、指導案の作成、模擬授業、授業場面や生徒指導場面における分析や指導の実施等を行う。また、自らの抱えている問題や課題を示し、集団の中での検討や議論を通して、解決するための方向性や自分自身の新たな課題を発見する。診断は、大学教員(教育・心理、教科教育、教科専門)から構成される「診断チーム」によって行われる。同時にこの診断には、教育委員会関係者・教員OB・保護者・地域代表などからなる「アドバイザーチーム」が参加し、大学の診断チームと連携をとりながら、実務家あるいは教育現場や保護者の立場から診断を援助し、現職教員にアドバイスを行う。いずれの診断項目も毎週1回の時限を3〜4時限程度あてる。とくに保護者・地域対応力、学校マネジメント力など、実践力向上に重要な分野については、重点的に時間を配置し、学内の講義だけではなく、アドバイザーチームと協働して、フィールドワークや実地研修も行う。

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「パーソナルロードマップ」の作成

実践力診断シートおよび実践力診断講座の結果をもとに、個々の教員のかかえる課題についての総合的な診断と大学院における学習計画ならびに修了後の教員として成長していくための指針を示すものとして、診断に対する処方箋にあたるような「パーソナルロードマップ」を作成する。「パーソナルロードマップ」は、教職ライフステージを見通した上で、教員として自己成長し、教員キャリアの形成を図っていくための指針となるものである。診断チームが受講生と面談をしながら、受講生の問題や課題、それを解決し克服していくために必要な学習や研修を具体的に提示する。

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2)「実践力強化講座」の充実

「実践力診断講座」により明確になった不得意分野や課題を克服または伸長するための講座として「実践力強化講座」を開設する。作成した「パーソナルロードマップ」にもとづいて受講する。これにより教員一人一人の能力と課題に応じた教育が可能となる。

授業科目は、既設の科目においても、現職教員のための実践力強化であることを教授者が意識して授業内容を改善する。また新設授業科目においては、学内の他、他大学教員、教育行政担当者、管理職経験者、民間企業経営者、法曹関係者等を講師として招き、高度な実践的指導力の育成を図る。いずれの講座においても理論的な学習だけではなく実際の場面に即してどのように対応すればよいかを、事例研究やシミュレーションを通して学ぶ。

また新設科目は、地域の一般の現職教員が受講しやすいように、公開講座とし、夏季休業期間に集中的に開講する。

3)「フォローアップ講座」の拡充

本学では大学院修了後のアフターケアを目的に、平成15 年より「教育研究フォーラム」を毎年夏に開催している。これは、修了者が日頃の教育研究や教育実践を発表する場であり、学校教育の課題や問題について大学教員・大学院学生・地域の学校教員と語り合い交流する場である。さらに積極的に現職教員のフォローアップをするために、個別相談体制を整え、「フォローアップ講座」として機能の拡充を図る。とくに修了した現職教員が、地域の学校での実践を通して得た課題や実践力診断の方法などについて、診断チームにフィードバックすれば、実践力診断講座や強化講座のあり方の改善に資するものとなる。