〔毒成分〕生のシャグマアミガサタケからListとLuft (1967)がギロミトリンを抽出し,構造を決定した。そして生のきのこ1kg あたり1.2-1.6 g のギロミトリンを含んでいることを発見した。しかし,時に,ヨ−ロッパでは乾燥きのこを食べて中毒することがあり,Shumidlin-Meszaros(1974)が分析したところ,乾燥シャグマアミガサタケ1kg当たり0.5-3g 程度のギロミトリンが含まれ,そのうちの25% がより毒性の強いモノメチルヒドラジン(MMH)であった。ギロミトリン,MMH の沸点はそれぞれ,64℃, 86℃であるから,料理中に立ちのぼる湯気を吸い込むと中毒し,料理人が倒れるので要注意。このきのこ毒の最近の研究動向は,同夫人の総説を参照されたい。
ギロミトリンのウサギに対するLD50(経口)は50 mg/kg である。
MMH のマウスに対するLD50(経口)は33 mg /kg 。サルではMMH を毎日2.5 mg/kg ずつ20日間,あるいは 5 mg/kg ずつ 3日間連続投与では影響はないが,1 日あたり7-10mg/kg の割りで3日間与えると嘔吐,けいれんを起こし,4日目で全部死亡する。
〔治療法〕解毒剤としてピリドキシンがあり,この塩酸塩25 mg/kgの静脈注射が有効である。