日本の毒きのこと中毒の型

 日本の毒きのこは数10種類と考えられているが,含まれる毒成分にいくつかのタイプがある。従ってきのこ中毒の症状にもいくつかのタイプが認められる。
 筆者は我国のきのこ中毒を,症状と発症時間により以下のA−Eの5つに大別し,さらに毒成分を考慮して日本の毒きのこを8つのグル−プに分類した。

 以下,中毒症状の概略と代表的な毒きのこについて,その見分け方のポイントを記す。なお代表的な毒きのこについてはカラ−写真を入れたが,詳細については,図鑑を参照されたい。我国の最近の研究成果を盛り込んだ図鑑としては,カラ−写真を主体とした「日本のきのこ」(山と渓谷社 1988) ,またスッケチを主体とした「原色日本菌類図鑑」I,II(保育社,1987,1989)などがある。

 きのこから抽出された生理活性物質や毒成分は,代表的なものにとどめた。その詳細に関しては,最近の総説(藤本1987,Konno 1995)@を参照されたい。
 また毒成分の不明なきのこには*印をつけた。毒成分はわからなくても,中毒症状や分類学的位置から便宜的ではあるが,一応8つのグル−プに分類したが,将来,毒成分の構造が明らかになり,その作用機作がわかって来ると考え直す必要が生じてくるものもあろう。


Aタイプの中毒を起こす猛毒きのこ
  細胞を破壊し,肝臓,腎臓に障害を与え,死をもたらす毒
  −激しい下痢・腹痛,肝・腎臓障害
  徴候が現れるまでに6時間以上,通常10時間
Bタイプの中毒を起こす毒きのこ
  主に自律神経作用する毒−悪酔い症状・発汗症状
  徴候は食後20分〜2時間後に出る。
Cタイプの中毒を起こす毒きのこ
  主に中枢神経系に作用する毒−幻覚・精神錯乱状態
  徴候は食後20分〜2時間後に始まる。
Dタイプの中毒を起こすきのこ
  主に胃腸刺激−胃腸障害
  30分〜 3時間後に徴候が始まる。
Eタイプの中毒を起こすきのこ
  末端紅痛症状−手足の先が赤く腫れ,激痛が1か月以上続く
  徴候は食後4〜5日して出る。


@文献
  藤本治宏. きのこの生理活性物質. 遺伝 42(9):25-29.(1987).

  Konno, K. Biologically active components of poisonous mushrooms.
   Food Reviews International 11(1): 83-107. (1995)


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