毒きのこではないが中毒の報告のあるもの


 古くなって腐り始めたマツタケを食べると中毒する。これは食後20-30 分して,胸がむかつき,激しい嘔吐を伴う症状で,下痢,腹痛,発熱は通常伴わない。嘔吐すると治癒する。腐敗マツタケによる中毒は井上伊造氏の詳細な研究がある。それによると,腐敗により生じたヒスタミンを主体としフェニ−ルエチルアミンが相乗的に働くと猛烈な中毒(嘔吐)になるという。

 シイタケ(Lentinus edodes) は胞子を多量に吸い込むと喘息様のアレルギ−を引き起こすことが知られている。またシイタケを焼いて食べ,身体に赤い発疹が出た例や,シイタケ採取後にかゆ味をともなった皮膚炎が発生した例が報告されている。

 ナメコ(Pholiota nameko) も胞子吸入によると思われる中毒例の報告がある。作業時に密閉されたビニ−ルハウスや栽培室内で,栽培きのきの胞子を多量に吸い込むことは避けたほうがよい。


※ 井上伊造氏の研究成果は「栄養と食料」誌上の以下の巻とページに「松茸に関する生化学的研究」1〜15報として報告されている:

    14: 251-254 (1961),  14: 255-256 (1961),

    14: 404-410 (1962),  14: 459-461 (1962),

    14: 462-466 (1962),  15:  93- 95 (1963),

    15: 392-397 (1963),  17:  67- 68 (1964),

    17:  69- 79 (1964),  17: 148-156 (1964),

    17: 157-160 (1964),  20: 234-239 (1967),

    23: 532-536 (1970),  23: 537-543 (1970),

    23: 544-543 (1970).


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