中毒したきのこを正確に同定するために最近は地方ごとのきのこ図鑑なども出版されているので, 名前も比較的調べやすくなったが,依然として不明種が多く,同定は困難である。日本各地にきのこ同好会があり,また地方の林業試験場などにもきのこに詳しい人が多いので相談してみるとよい。
どうしても不明な場合は,標本や写真などの資料を添えて専門のきのこ研究機関に同定を依頼すると良い(鳥取市の菌蕈研究所,国立科学博物館など)。写真はひだの部分が写っているほうが好ましい。標本は乾燥標本または液漬標本のいずれでもよいが,乾燥標本にすると形や色が著しく変わる場合があるので,スライドを付けて同定を依頼するほうがよい。
私の研究室では送風乾燥機を用い60℃で乾燥している。モミタケなどの大型のきのこ以外は1昼夜で乾き,形や色も比較的よく残る。大型のきのこは薄く切ってから乾かすとよい。
液漬標本はもとの形や色がよく残り,展示などには役に立つ。私の研究室ではエタノ−ル:ホルマリン:水(25:5:70)混合液を用いている。イグチ類の一部ものから,色素が解け出して液が汚れるが,他の大部分のきのこは20年近くたっても良好な状態で保存できている。