編集後記

2009 年 09 月 14 日


 本号には、簡単な導入を付して、私のコメント(12.91号、12.92号所収)に対する林、佐藤両氏の「リプライ」を掲載した。この両「コメント」は、単純なコメントではなく、真意は「道徳的心理学的考察への誘い」であり、同時に(それを課題とした)論争への誘いでもある。本誌公刊までには頂けなかった児玉聡氏リプライをも待って、今後三者間、さらには、これに横合いから論戦"参入"して下さる方をも含めてバトルが進行されていくことを期待している。
 これについては、場合によっては私も"参入"するかもしれないが、ここでは"火付け役"を果たしたということで ― バトル展開を期待した上でだが ― 或る程度満足している。本誌は、タイトルが明示するように、(所属研究室の「紀要」という性格は在るのであるが)趣旨としては広く国内での論争展開の場を提供するものである。既号では、私自身バトラーとなって論争を仕掛けたものも在るが、残念ながら、特に松原隆一郎氏、吉永明弘氏からは ― 両氏関連の場合、文字通りの"発端"はむしろ両氏それぞれに在るのだが ― その後"応答"が頂けないでいる。(因みに、私はその後「ノートン論」を公開したが、ノートン批判と吉永批判は ― 吉永氏は松原論稿を援用しているが、さらに、松原批判とも ― 基底的には同趣旨である。)これについては、― なにぶん本誌はマイナーなものであり、"執筆料"といったものは出せないのであるが ― 本記事を見られた方が横合いから論争を促して頂けると有難い。(安彦記)
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2009/09/14作成