
琵琶湖の環流
|
びわ湖の湖流として最も有名です。水温成層期(春〜秋)の表層(水温躍層以浅)に存在します。従来、3つの環流があると言われてきましたが、現在では2つの環流が安定して存在することがわかっています(右図)。 第一環流は反時計回り(低気圧性)で第二環流は時計回り(高気圧性)の流れです。環流の特徴は、地球自転の影響を受けた「地衡流」に近い流れであることです。すなわち、第一環流の中心部では周りに比べて低い水温となっていて、第二環流の中心部では相対的に高温となっています。ただし、このような水温差が見られるのは水温躍層付近の深さで、表面や深層の水温には水平的な温度差はほとんど見られません。 第一環流では、圧力勾配力が遠心力とコリオリ力の和となって(P=F+C)、かなり大きな値となります。つまり流速が大きく、はっきりとした水温分布が現れます。一方、第二環流ではP=F-Cなので、あまり目立った水温構造は見られません。この力学は天気図にみられる低気圧や高気圧にも当てはまります。1気圧は1013 hPaですが、高気圧はいくら発達しても1050 hPa程度です。それに対して低気圧や台風が900 hPa以下にまで発達するのは、コリオリ力と遠心力が同じ向きに作用し圧力勾配を大きくできるためです。 |
![]() |
|
環流の存在によって、びわ湖の水はよくかき混ぜられていると考えられます。たとえば北湖の電気伝導度を測定してみると場所による違いがほとんど見られません。逆に言えば、もしもびわ湖のある場所が汚染されたとすると、その汚染は環流によってびわ湖中に拡がってゆくことになります。 環流がなぜ生じるかについては、いくつかのメカニズムが考えられてきました。私たちは最近、風の渦度によって環流が形成される可能性を調べています。詳しいことは、「びわ湖の風」を読んで下さい。 |
![]() |
「びわ湖の湖流」へもどる
ホームペイジへ