琵琶湖学特論20131120 質問とその答え

自分でも調べてみましょう。さらに詳しい答えが得られますし、もっと面白いことがかいてあるかもしれません。

質問:大きい湖の水がどうやってたまったのか疑問です。特に火山湖・カルデラ湖は火山の上にあるのに水は流入するのか?雨水だけ?
答え:湖の体積を流入量or流出量で割ったものを滞留時間といいます。単純に考えると、滞留時間は空っぽの湖に水が満たされる時間です。琵琶湖の場合は5.5年です。 なお、火山湖・カルデラ湖は周りの断崖の内側の範囲に振った雨で満たされます。流入河川はほとんどありません。遠くからリンや窒素が運ばれてこないので透明度が高い。

質問:日本の中で湖の分布に影響しているものは?
答え:火山帯・プレート

質問:琵琶湖に住めない生物は?
答え:塩分が高い水が必要な生物。まだ、琵琶湖に侵入することができていない生物。淡水の生物の多くは海を伝って移動できません。

質問:大型のプラクトンでクラゲやマンボウ以外には何がいますか?
答え:遊泳性のエビ、オキアミ、アミ、ヨコエビ(以上甲殻類)、サルパ、魚の仔稚魚(例えばレプトケファルス(ウナギの仲間の幼生))など

質問:大山田湖と琵琶湖は別物と聞いたことがあるのですが。
答え:何をもって別物と定義するかによっては別物でしょう。400万年同じような水たまりがあったのではない、ことを授業中に説明しました。

質問:琵琶湖で日周鉛直移動があまり一般的でない理由は
答え:普通の動物プランクトンが生息する表層では、明るい場所=植物プランクトンが多いとは限らないからです。むしろ、栄養塩が多い水温躍層付近に植物プランクトンが多く、そこに動物プランクトンが集まることが多い。なお、湖底から水温躍層付近まで泳いでいく生物はいます。

質問:琵琶湖以外の湖にも固有種はたくさんいるのですか?
答え:古代湖には固有種がたくさん見つかっています。古代湖でなくても固有種がたくさんいる湖もありますが、とても大きい湖で周囲の水域と異なる特徴がある湖でしょう。

質問:植物プランクトンは補償深度より深いところまで沈みませんか?
答え:沈みます。琵琶湖では、植物プランクトンの生産量の2割ほどが沈降していきます。湖底の生物の重要な餌

質問:どうして固有種は固有種だとわかるのですか?
答え:ほかの場所に生息していないことが確信できるほど情報を集める必要があります。

質問:湖が誕生することはいまでもありますか?
答え:火山湖であれば新しいものが生まれています。また、数年前に台風が来て川がせき止められて天然ダムができたというニュースがありましたが、堰止湖が形成されそうになったとみることができます。

質問:どうして琵琶湖はとても古いのにどこにあるか知らない日本人が多いのですか?
答え:たぶん新幹線や高速道路からほとんど見えないからでしょう。彦根城のうしろにぼんやり見える程度です。