琵琶湖学特論20131127 質問とその答え

自分でも調べてみましょう。さらに詳しい答えが得られますし、もっと面白いことがかいてあるかもしれません。

質問:ヒトの顔や体形が成長によって変わるのは変態と呼びますか?
答え:基本的な体制(手足の付きかたなど)が大きく変わらないので”変態”するといいません。魚の赤ちゃんのように形が大きくかわると変態するといいます。

質問:ミジンコの触角は腕とよんでもよいのでは?
答え:甲殻類の場合、身体に生えている付属肢の1対目と2対目を「触角」と呼びます。3対目が大顎、4対目と5対目が小顎です。昆虫との大きな違いは触角が1対か2対かという点です。

質問:ミジンコやケンミジンコの眼は一つですか?
答え:普通は複眼(小さな眼が集まったもの)が一つです。体が比較的透明であれば一つの複眼で広い範囲が見えるはずです。

質問:単細胞の生物は脳のようなものがあるのですか?
答え:脳は主にたくさんの神経細胞でできています。ですから多細胞生物でなければ脳はないと考えてよいです。単細胞の生物が「意思」をもって活動しているように見えるのは、状況に応じて体の調整機能が働くからでしょう。調整機能にはいろいろなものがあるでしょうが、究極的にいえば、「遺伝子を読んでタンパク質を合成するスイッチが入る」ということになります。

質問:ミジンコには脳はありますか?
答え:脊椎動物の「脳」とまったく同じ物ではありませんが、神経細胞がたくさん集まった「脳」があります。違うというのは、進化の過程が違う収斂進化と考えられるため。

質問:なぜケンミジンコはノープリウス幼生をつくるのですか?
答え:実はミジンコもノープリウス幼生があるはずですが、卵の中で何回も体のつくりがかわり親と同じ姿になってミジンコの赤ちゃんが出てきます。ミジンコは卵を持っていると天敵である魚に見つかりやすくなりますが、天敵に食べられなければ子孫が残せる確率が高くなります。トレードオフの関係です。

質問:なぜ耐久卵を作るプランクトンがいるのですか?
答え:水の中で暮らしていると、そのままでは生き延びれない状況に陥ることがあるからです。未来の可能性に賭けてみたら子孫が生き残った、長い歴史でそうやって成功してきた生物です。

質問:結局動物プランクトンは泳いでいるのですか?
答え:多くの動物プランクトンは水面に上がってしまうと不都合があるので、水より僅かに比重が高い体をしています。ほっておくと水の底に沈んでしまいますが、あまりよい環境ではないので、好適な場所にとどまれるように「泳いで」います。講義の中でも説明したように、泳ぐスピードでこれ以下ならプランクトンという定義はありません。実際上の区別のしかたはプランクトンネットを曳いた時に捕まるくらいのものや、採水器で採集できるものをプランクトンと呼びます。

質問:植物プランクトンと動物プランクトンはバランスがとれるものですか?
答え:バランスをとろうと思って生きている生物はいません。バランスを崩すような増殖率、死亡率を持った生物がいると、人間は「異常増殖」「絶滅」と呼びます。異常じゃないものは正常ですよね?という質問くらい答えづらい質問ですね。