小学校学習指導要領(社会)新旧比較 左:平成元年度版 右:平成10年度版
第2節 社会 第1 目 標 社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。 第2 各学年の目標及び内容 1 目 標 (1) 自分たちの生活は、地域にある公共施設の働きや地域の人々の協力によって支えられていることを理解できるようにし、地域社会の成員としての自覚を育てる。 (2) 地域の人々の生活は、自然環境と結び付いて営まれており、地域によって消費生活や生産活動に特色があることや人々の生活の様子は変化していることを理解できるようにし、地域社会を大切にする態度を育てる。 (3) 地域における社会的事象を具体的に観察し、地図その他の具体的資料を効果的に活用することができるようにするとともに、地域社会の社会的事象の特色を考える 2 内 容 (1) 自分たちの地域の人々が、公民館、図書館などの公共施設を利用している様子及び地域の清掃や交通安全などの活動に参加している様子を観察したり調べたりして、地域の人々は協力して生活の向上や住みよい環境づくりに努力していることに気付くようにするとともに、自分も地域社会の一員として協力できるようにする。 (2) 自分たちの市(区、町、村)の特徴ある地形、土地利用の様子や集落の分布、交通の様子などについて観察したり地図に表したりして、地域の人々の生活は自然環境と深い関係があることや場所によって人々の生活には違いがあることを理解できるようにする。 (3) 自分たちの市(区、町、村)を中心にした地域の商店や商店街の様子について調べて、地域の人々は品質や価格などを考えて購入していることや、商店や商店街などでは販売について工夫していることを理解できるようにするとともに、自分たちの地域は消費生活を通して広く国内の他地域などとかかわりがあることに気付くようにする。 (4) 自分たちの市(区、町、村)を中心とした地域の重要な生産活動は、自然環境を生かしながら営まれていること及び原料の入手や生産品の販売などの面で工夫がなされていることについて調べて、地域の生産活動の特色と工夫について理解できるようにするとともに、自分たちの地域は生産活動を通して広く国内の他地域などとかかわりがあることに気付くようにする。 (5) 自分たちの市(区、町、村)を中心にした地域の人々の生活について、家屋や道具、交通などの移り変わりを中心に調べたりそれを年表にまとめたりして、地域の人々の生活は、およそ
100年くらいの間に大きく変わってきたことを理解できるようにするとともに、地域の文化財や年中行事に関心をもち、人々の願いについて考えることができるようにする。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)については、生活料との関連を考慮して、自分と地域の人々や地域社会とのかかわりについて考えさせるよう考慮する必要がある。 (2) 内容の(3)については、地域の消費生活の特色を消費者の立場から考えさせるよう配慮する必要がある。 (3) 内容の(3)及び(4)については、地域の生活が国内の他地域だけではなく、外国ともかかわりがあることに気付かせるよう配慮するものとする。その際、児童に無理のない取扱いをする必要がある。 【第4学年】 1 目 標 (1) 地域社会における人々の健康や安全を守るための諸活動、地域の地形や産業などの様子及び地域の発展に貢献した先人の働きを理解できるようにし、地域社会の成員として地域社会の発展を願う態度を育てる。 (2) 自然環境としての国土の特色や自然条件からみて国内の特色ある地域における人々の生活の様子について理解できるようにし、広い視野から地域社会の生活を考える態度を育てる。 (3) 地域における社会的事象を具体的に観察し、地図や各種の資料を効果的に活用できるようにするとともに、社会的事象の特色や相互の関連などについて考えるようにする。 2 内 容 (1) 地域の人々の生活にとって必要な飲料水、電気、ガスなどの確保及び廃棄物の処理についての対策や事業が計画的、協力的に進められていることを見学したり調べたりして、これらの対策や事業は地域の健康な生活の維持と向上に役立っていることを理解できるようにする。 (5) 地図その他の資料を活用して国土の位置、地形、気候などの概要を調べて、それらの特色を理解できるようにするとともに、自然条件からみて国内の特色ある地域を取り上げ、人々が自然環境に適応しながら生活している様子に関心をもつようにする。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)、(2)及び(4)については、取り上げる対象や事例を精選するよう配慮する必要がある。 (2) 内容の(5)の国土の位置の指導については、我が国の領土と近隣の諸国を取り上げるものとする。その際、我が国や諸外国には国旗があることを理解させるとともに、それを尊重する態度を育てるよう配慮する必要がある。 |
第2節 社 会 第1 目 標 社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,国際社会に生きる民主的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。 第2 各学年の目標及び内容 1 目 標 (1) 地域の産業や消費生活の様子,人々の健康な生活や安全を守るための諸活動について理解できるようにし,地域社会の一員としての自覚をもつようにする。
(2) 地域の地理的環境,人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きについて理解できるようにし,地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする。
(3) 地域における社会的事象を観察,調査し,地図や各種の具体的資料を効果的に活用し,調べたことを表現するとともに,地域社会の社会的事象の特色や相互の関連などについて考える力を育てるようにする。 2 内 容 (1) 自分たちの住んでいる身近な地域や市(区,町,村)について,次のことを観察,調査したり白地図にまとめたりして調べ,地域の様子は場所によって違いがあることを考えるようにする。
(2) 地域の人々の生産や販売について,次のことを見学したり調査したりして調べ,それらの仕事に携わっている人々の工夫を考えるようにする。
ア 地域には生産や販売に関する仕事があり,それらは自分たちの生活を支えていること。 イ 地域の人々の生産や販売に見られる仕事の特色及び国内の他地域などとのかかわり (3) 地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理について,次のことを見学したり調査したりして調べ,これらの対策や事業は地域の人々の健康な生活の維持と向上に役立っていることを考えるようにする。
ア 飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理と自分たちの生活や産業とのかかわり イ これらの対策や事業は計画的,協力的に進められていること。 (4) 地域社会における災害及び事故から人々の安全を守る工夫について,次のことを見学したり調査したりして調べ,人々の安全を守るための関係機関の働きとそこに従事している人々の工夫や努力を考えるようにする。
ア 関係の諸機関が相互に連絡を取り合いながら緊急に対処する体制をとっていること。 (5) 地域の人々の生活について,次のことを見学,調査したり年表にまとめたりして調べ,人々の生活の変化や人々の願い,地域の人々の生活の向上に尽くした先人の働きや苦心を考えるようにする。
ア 古くから残る暮らしにかかわる道具,それらを使っていたころの暮らしの様子 イ 地域に残る文化財や年中行事 ウ 地域の発展に尽くした先人の具体的事例 (6) 県(都,道,府)の様子について,次のことを資料を活用したり白地図にまとめたりして調べ,県(都,道,府)の特色を考えるようにする。
ア 県(都,道,府)内における自分たちの市(区,町,村)の地理的位置 イ 県(都,道,府)全体の地形や主な産業の概要,交通網の様子や主な都市の位置 ウ 産業や地形条件から見て県(都,道,府)内の特色ある地域の人々の生活 エ 人々の生活や産業と国内の他地域や外国とのかかわり 3 内容の取扱い (1) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。 (2) 内容の(3)の「飲料水,電気,ガス」については,それらの中から選択して取り上げるものとする。また,「廃棄物の処理」については,ごみ,下水のいずれかを選択して取り上げ,その際,廃棄物を資源として活用していることについても扱うようにする。
(3) 内容の(4)の「災害」については,火災,風水害,地震などの中から選択して取り上げ,「事故」については,交通事故や盗難を取り上げるものとする。
(4) 内容の(5)のウの「具体的事例」については,地域の開発,教育,文化,産業などの発展に尽くした先人の中から選択して取り上げるものとする。
(5) 内容の(6)については,次のとおり取り扱うものとする。 イ エについては,我が国や外国には国旗があることを理解させ,それを尊重する態度 |
【第5学年】 (1) 我が国の食料生産、工業生産の特色及び運輸、通信などの産業の様子やこれらの産業と国民生活との関連について理解できるようにし、我が国の産業の発展に関心をもつようにする。 (2) 我が国の国土の様子について理解できるようにし、環境の保全と資源の重要性について関心を深めるようにするとともに、国土に対する愛情を育てる。 (3) 地図、年表、統計などの基礎的資料を効果的に活用することができるようにするとともに、社会的事象の意味について考えるようにする。 2 内 容 (1) 我が国の農業や水産業の現状に触れ、それらの産業に従事している人々が生産を高める工夫をしていることを理解できるようにするとともに、国民生活を支える食料生産の意味について考えることができるようにする。 ア 我が国の農業について、主な農産物とその分布、土地利用の特色などを地図や資料などで調べて、我が国の農業は自然環境と深いかかわりをもって営まれていることや国民の食料の確保の上で農産物の生産が大切であることなどを理解するとともに、農業の盛んな地域の具体的事例を調べて、農業に従事している人々の工夫や努力に気付くこと。 イ 我が国の水産業について、主な漁港や漁場、漁獲高などを地図や資料などで調べて、我が国の水産業の特色や国民の食生活の上で水産資源が大切であることなどを理解するとともに、水産業の盛んな地域の具体的事例を調べて、水産業に従事している人々の工夫や努力に気付くこと。 (2) 我が国の工業生産の現状に触れ、工業に従事している人々が生産を高める工夫をしていることを理解できるようにするとともに、国民生活を支える工業生産の意味について考えることができるようにする。 イ 我が国の伝統的な技術を生かした工業について、それが盛んな地域や生産物を地図や資料などで調べて、原料や土地の条件、技術などを生かして生産していることを理解するとともに、伝統的な技術を生かした工業製品のもつ意味について考えること。 (3) 我が国の運輸、通信などの産業の現状に触れ、それに従事している人々の工夫や努力について理解できるようにするとともに、国民生活を支えるこれらの産業の意味について考えることができるようにする。 ア 我が国の陸上、海上、航空などの運輸業や主な貿易相手国と輸出入の品目などについて、地図や地球儀、資料などで調べて、我が国の運輸業の働きや貿易の特色について理解するとともに、これらの産業に従事している人々の工夫や努力に気付くこと。 イ 我が国の放送、新聞、電信電話などの産業について、見学したり資料で調べたりして、これらの産業は国民の日常生活と深いかかわりがあることや国民の生活に大きな影響を及ぼしていることを理解するとともに、これらの産業に従事している人々が工夫や努力をしていることやこれからの生活において情報の有効な活用が大切であることに気付くこと。 (4) 我が国の国土の様子について、土地利用、人口分布、資源の分布、交通網、自然災害などを地図や資料などで調べて、これらが国内各地の人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを理解できるようにするとともに、国土の保全や水資源の涵養などのために森林資源が大切であることに気付くようにする。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)のアについては、農業の盛んな地域の具体的事例は、稲作のほか、野菜、果物、畜産物などの生産の中から一つを取り上げるものとする。 (2) 内容の(2)のアについては、工業の盛んな地域の具体的事例は、金属工業、機械工業、化学工業などの中から一つを取り上げるものとする。 (3) 内容の(3)のイについては、放送、新聞、電信電話などの中から一つを取り上げるものとする。 (4) 内容の(4)については、森林資源の育成や保護に従事している人々の工夫や努力及び環境保全のための国民一人一人の協力の必要性に気付かせるよう配慮する |
〔第5学年〕 (1) 我が国の産業の様子,産業と国民生活との関連について理解できるようにし,我が国の産業の発
(2) 我が国の国土の様子について理解できるようにし,環境の保全の重要性について関心を深めるよ
(3) 社会的事象を具体的に調査し,地図,統計などの各種の基礎的資料を効果的に活用し,調べたこ
2 内 容 (1) 我が国の農業や水産業について,次のことを調査したり地図や地球儀,資料などを活用したりして
ア 様々な食料生産が国民の食生活を支えていること,食料の中には外国から輸入し イ 我が国の主な食料生産物の分布や土地利用の特色など ウ 食料生産に従事している人々の工夫や努力,生産地と消費地を結ぶ運輸の働き (2) 我が国の工業生産について,次のことを調査したり地図や地球儀,資料などを活用したりして調
ア 様々な工業製品が国民生活を支えていること。 イ 我が国の各種の工業生産や工業地域の分布など ウ 工業生産に従事している人々の工夫や努力,工業生産を支える貿易や運輸の働き (3) 我が国の通信などの産業について,次のことを見学したり資料を活用したりして調べ,これらの産
ア 放送,新聞,電信電話などの産業と国民生活とのかかわり イ これらの産業に従事している人々の工夫や努力 (4) 我が国の国土の自然などの様子について,次のことを地図その他の資料を活用して調べ,国土の
ア 国土の位置,地形や気候の概要,気候条件から見て特色ある地域の人々の生活 イ 公害から国民の健康や生活環境を守ることの大切さ ウ 国土の保全や水資源の涵養のための森林資源の働き 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)のウについては,農業や水産業の盛んな地域の具体的事例を通して調べることとし,稲作のほか,野菜,果物,畜産物,水産物などの生産の中から一つを取り上げるものとする。
(2) 内容の(2)のウについては,工業の盛んな地域の具体的事例を通して調べることとし,金属工業,
(3) 内容の(1)のウ及び(2)のウの「運輸の働き」にかかわって,交通網について取り扱うものとする。
(4) 内容の(3)のイについては,放送,新聞,電信電話などの中から一つを取り上げるものとする。
(5) 内容の(1)から(3)の指導に当たっては,仕組みや工程に深入りしないよう配慮するものとする。
(6) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。 イ アの「気候条件から見て特色ある地域」については,事例地を選択して取り上げ, ウ イについては,大気の汚染,水質の汚濁などの中から具体的事例を選択して取り エ ウについては,我が国の国土保全等の観点から扱うようにし,森林資源の育成や保護に従事して |
【第6学年】 1 目 標 (1) 国家・社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について関心と理解を深めるようにし、我が国の歴史や伝統を大切にする心情を育てる。 (2) 日常生活における政治の働きと我が国の政治の仕組みや考え方及び我が国と関係の深い国の様子や国際社会の中で占めている我が国の役割を理解できるよう (3) 地図、年表などの各種の基礎的資料を効果的に活用することができるようにするとともに、社会的事象の意味をより広い視野から考えるようにする。 2 内 容 (1) 我が国の歴史は、大和朝廷による国土統一が行われてから、政治の中心地や世の中の様子などによって幾つかの時期に分けられることに気付き、それぞれの時代の歴史上の主な事象について、人物の働きや代表的な文化遺産を中心に理解できるようにするとともに、我が国の歴史や先人の働きについて関心を深めるようにする。 ア 身近な地域や国土に残っている遺跡や文化財などを調べて、自分たちの生活の歴史的背景に関心をもつとともに、我が国の歴史に学ぶ意味について考えること。 イ 遺跡や遺物などを調べて、農耕が始まると人々の生活や社会の様子が変わったことや、大和朝廷による国土の統一の様子について理解すること。その際、神話・伝承を調べて、国の形成に関する考え方などに関心をもつこと。 ウ 大陸文化の摂取や大化の改新、大仏造営などの様子について調べて、天皇を中心とした政治が確立していったことを理解すること。 エ 貴族を中心とした華やかな生活の様子や寝殿造りなどについて調べて、京都に都が置かれたころの政治の様子や日本風の文化が起こったことを理解すること。 オ 源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦いなどについて調べて、武士が勢力をもつに至ったころの様子について理解すること。 カ 京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画などについて調べ、そのころ新しい文化が生まれたことを理解すること。 キ 鉄砲やキリスト教の伝来、織田・豊臣の天下統一などについて調べて、戦国の世が統一されていくころの様子について理解すること。 ク 江戸幕府の始まり、大名行列や鎖国などについて調べて、身分制度が確立し、武士による政治が安定したことを理解すること。 ケ 歌舞伎や浮世絵、国学や蘭学などについて調べて、江戸時代の人々の暮らしの様子や新しい学問が起こったことを理解すること。 コ 黒船の来航、明治維新、文明開化などについて調べて、明治時代に入り廃藩置県や四民平等などの諸改革が行われ、欧米の文化を取り入れつつ我が国の近代化が進められたことを理解すること。 サ 大日本帝国憲法の発布、日清・日露の戦争、条約改正などについて調べて、国力が次第に充実し、国際的地位が向上したことを理解すること。
シ 日華事変、我が国にかかわる第二次世界大戦、日本国憲法の制定などについて調べて、戦後は民主的な国家として出発したことを理解すること。 (2) 政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていることに気付くようにするとともに、現在の我が国の民主政治が日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを理解できるようにする。 ア 身近な公共施設の建設や災害復旧の取組みなどについて調べて、そこには地方公共団体や国の政治の働きが反映していることを理解すること。 イ 選挙の様子や国会の働きなどを調べて、現在の政治は国民が選んだ代表者による議会政治によって成り立っていることを国民主権と関連付けて理解すること。 ウ 日本国憲法には国家の理想、天皇の地位、国民としての権利及び義務などの重要な事柄が定められていることを調べて、これらは国家や国民生活 (3) 今日、我が国は経済や文化の交流などで世界の国々と深いつながりをもっていることを理解できるようにするとともに、平和を願う日本人として世界の国々と協調していくことが大切であることを自覚できるようにする。 3 内容の取扱い (1) 内容の(1)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア 児童の興味や関心を重視し、取り上げる人物や文化遺産を精選して具体的に理解させるとともに、歴史的事象を網羅的に取り上げることがないよう配慮する必要があること。 イ イの神話・伝承については、古亊記、日本書紀、風土記などの中から適切なものを取り上げること。 ウ イからサまでについては、例えば、次に揚げる人物を取り上げて指導すること。 エ シについては、取り上げる歴史的事象を精選するとともに、その指導に当たっては、児童の発達段階を考慮し社会的背景にいたずらに深入りしないよう配慮すること。 (2) 内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア 政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には、国民の祝日に関心をもち、その意義を考えさせるよう配慮すること。 イ アについては、租税の役割についても取り上げるよう配慮すること。 ウ イについては、政治の制度や機構に深入りすることのないよう配慮すること。 エ ウの天皇については、日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げ、歴史に関する学習との関連も図りながら、天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。また、ウの国民としての権利及び義務については、参政権、納税の義務などを取り (3) 内容の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。 ア アについては、数カ国を取り上げること。 イ ア及びイについては、観念的、抽象的な指導にならないように留意し、正しい国際理解と世界平和への努力が大切であることを理解させるよう配慮すること。また、我が国の国旗と国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるよう配慮すること。 第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては、博物館や郷土資料館等の活用を図るとともに、身近な地域及び国土の遺跡や文化財などの観察や調査を行い、それに基づく表現活動が行われるよう配慮する必要がある。 2 第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮する必要がある。 (1) 各学年の指導については、児童の発達段階を考慮し社会的事象を公正に判断できるようにするとともに、個々の児童に社会的なものの見方や考え方が養われるようにすること。 (2) 第4学年以降においては、児童が教科用図書の地図を活用するようにすること。 |
〔第6学年〕 1 目 標 (1) 国家・社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について興味・関心と理解を深めるようにするとともに,我が国の歴史や伝統を大切にし,国を愛する心情を育てるようにする。
(2) 日常生活における政治の働きと我が国の政治の考え方及び我が国と関係の深い国の生活や国際社会における我が国の役割を理解できるようにし,平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きていくことが大切であることを自覚できるようにする。
(3) 社会的事象を具体的に調査し,地図や年表などの各種の基礎的資料を効果的に活用し,調べたことを表現するとともに,社会的事象の意味をより広い視野から考える力を育てるようにする。 2 内 容 (1) 我が国の歴史上の主な事象について,人物の働きや代表的な文化遺産を中心に遺跡や文化財,資料などを活用して調べ,歴史を学ぶ意味を考えるようにするとともに,自分たちの生活の歴史的背景,我が国の歴史や先人の働きについて理解と関心を深めるようにする。
ア 農耕の始まり,古墳について調べ,大和朝廷による国土の統一の様子が分かること。その際,神話・伝承を調べ,国の形成に関する考え方などに関心をもつこと。
イ 大陸文化の摂取,大化の改新,大仏造営の様子,貴族の生活について調べ,天皇を中心とした政治が確立されたことや日本風の文化が起こったことが分かること。
ウ 源平の戦い,鎌倉幕府の始まり,元との戦い,京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画について調べ,武士による政治が始まったことや室町文化が生まれたことが分かること。
エ キリスト教の伝来,織田・豊臣の天下統一について調べ,戦国の世が統一されたことが分かること。
オ 江戸幕府の始まり,大名行列,鎖国,歌舞伎や浮世絵,国学や蘭学について調べ,身分制度が確立し武士による政治が安定したことや町人の文化が栄え新しい学問が起こったことが分かること。
カ 黒船の来航,明治維新,文明開化などについて調べ,廃藩置県や四民平等などの諸改革を行い,欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことが分かること。
キ 大日本帝国憲法の発布,日清・日露の戦争,条約改正,科学の発展などについて調べ,我が国の国力が充実し国際的地位が向上したことが分かること。
ク 日華事変,我が国にかかわる第二次世界大戦,日本国憲法の制定,オリンピックの開催などについて調べ,戦後我が国は民主的な国家として出発し,国民生活が向上し国際社会の中で重要な役割を果たしてきたことが分かること。
(2) 我が国の政治の働きについて,次のことを調査したり資料を活用したりして調べ,国民主権と関連付けて政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていること,現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを考えるようにする。
ア 国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること。 イ 日本国憲法は,国家の理想,天皇の地位,国民としての権利及び義務など国家や国民生活の基本を定めていること。
(3) 世界の中の日本の役割について,次のことを調査したり地図や資料などを活用したりして調べ,外国の人々と共に生きていくためには異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であること,世界平和の大切さと我が国が世界において重要な役割を果たしていることを考えるようにする。
ア 我が国と経済や文化などの面でつながりが深い国の人々の生活の様子 イ 我が国の国際交流や国際協力の様子及び平和な国際社会の実現に努力している国際連合の働き
3 内容の取扱い (1) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。 ア 児童の興味・関心を重視し,取り上げる人物や文化遺産の重点の置き方に工夫を加えるなど,精選して具体的に理解できるようにすること。
イ 取り上げる歴史的事象は,アからクに示す事項にとどめ,網羅的に取り上げないようにすること。
ウ 歴史学習全体を通して,我が国は長い歴史をもち文化や伝統をはぐくんできたこと,我が国の歴史は政治の中心地や世の中の様子などによって幾つかの時期に分けられることに気付くようにすること。
エ アの「神話・伝承」については,古事記,日本書紀,風土記などの中から適切なものを取り上げること。
オ アからキまでについては,例えば,次に掲げる人物を取り上げ,人物の働きや代表的な文化遺産を通して学習できるように指導すること。 カ ウの「建造物や絵画」,オの「歌舞伎や浮世絵」及び「国学や蘭学」については,そ キ クについては,取り上げる歴史的事象を精選するとともに,その指導に当たっては,児童の発達段階を考慮し社会的背景にいたずらに深入りしないよう配慮すること。
(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。 ア 政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には,国民の祝日に関心をもち,その意義を考えさせるよう配慮すること。
イ 国会などの議会政治や選挙の意味,租税の役割などについても扱うようにすること。その際,政治の制度や機構に深入りしないよう配慮すること。
ウ アの「地方公共団体や国の政治の働き」については,身近な公共施設の建設,地域の開発,災害復旧の取組などの中から選択して取り上げ,具体的に調べられるようにすること。
エ イの「天皇の地位」については,日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げ,歴史に関する学習との関連も図りながら,天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。また,イの「国民としての権利及び義務」については,参政権,納税の義務などを取り上げること。
(3) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。 ア アについては,我が国とつながりが深い国から数か国を取り上げること。その際,それらの中から児童が一か国を選択して調べるよう配慮し,様々な外国の文化を具体的に理解できるようにするとともに,我が国や諸外国の文化や伝統を尊重しようとする態度を養うこと。
イ イの「国際交流」についてはスポーツ,文化の中から,「国際協力」については教育,医学,農業などの分野で世界に貢献している事例の中から,それぞれ選択して取り上げ,国際社会における我が国の役割を具体的に考えるようにすること。
ウ イの「国際連合の働き」については,網羅的,抽象的な扱いにならないよう,ユニセフやユネスコの身近な活動を取り上げて具体的に調べるようにすること。
エ ア及びイについては,我が国の国旗と国歌の意義を理解させ,これを尊重する態度を育てるとともに,諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるよう配慮すること。 第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い 1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。 (1) 各学校においては,地域の実態を生かし,児童が興味・関心をもって学習に取り組めるようにする
(2) 第2の内容において対象や事例を選択する際には,地域の実態や児童の興味・関心等に応じて,厳選して取り上げるようにすること。
(3) 博物館や郷土資料館等の活用を図るとともに,身近な地域及び国土の遺跡や文化財などの観察や調査を行うようにすること。
(4) 学校図書館や公共図書館,コンピュータなどを活用して,資料の収集・活用・整理などを行うようにすること。また,第4学年以降においては,教科用図書の地図を活用すること。
2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。 (1) 各学年の指導については,児童の発達段階を考慮し社会的事象を公正に判断できるようにするとともに,個々の児童に社会的なものの見方や考え方が養われるようにすること。
(2) 各学年において,地図や統計資料などを効果的に活用し,次第に我が国の都道府県の構成につ
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