■ 担当教員の開講科目(2015年より理科に移行して基礎科目を担当;2019年より理科でゼミを開講) 
※ 詳しくはWebシラバスをご覧ください。 演習用データ→ <データ1> <データ2> <データ3>
●大学入門セミナー 服部 (1回生対象・春学期・木曜・2限)
 初年次教育の科目です。まず、教員養成課程のカリキュラムの特性や授業科目の履修方法、各種教員免許状の取得方法などについて理解し、1回生からの履修計画と1回生春学期終了時の専攻・専修分属の際の参考にしてもらいます(専攻・専修の分属の手続きは、この授業の中で行います。)。次に新聞記事を題材とした1分スピーチ、さらに、レポート作成時に必要な様々な技術を練習します。特に文献を要約して引用することの意味を理解してもらいます。実際に情報端末を用いて自分で文献を検索し、図書館で借りながら文献リストを作成します。6月後半からは自分で集めた文献を使って実際にレポートを作成し、ルーブリックを用いた採点も経験します。情報収集のグループワークを行いながら、集団討論も行います。
●初等理科内容学 物理・化学・生物・地学の理科コースの担当者全員 (1・2回生対象・春学期・水曜・4限)
 小学校の先生になるためには必修科目です。受講生全員が物理・化学・生物・地学の各専門分野の担当者から初等教科としての理科の内容をまんべんなく学びます。生態学が専門の服部が担当する2回は、アクティブラーニングとしての野外観察について学習します。野外観察のポイントは、観察の前に見るべきものを特定しておくことです。授業では春の身近で常識的な動植物の35種を授業外学修として各自キャンパス内で探して観察してもらいます。また、野外観察時に出会う危険生物や特定外来生物の問題についても学習します。服部の担当分については、提出されたレポートの内容によって評価します。
●基礎生物学T 古橋・服部 (1・2回生対象・秋学期・水曜・2限)
 中学校や高校の理科の先生になるための選択必修科目です。服部は、後半に「生態と環境」の分野を担当します。生態系を理解するために必要な植物の生活形やバイオーム、遷移と環境形成作用、さらに植物の生殖について基礎を学びます。最後の3回の授業は、森林、湖沼、河川の各生態系について、基礎的で重要な点を各論的に解説します。身近な動植物を野外で観察しながら、中高の教科書に書かれている事柄について、自分の言葉で説明できるようになることが到達目標です。
●基礎生物学U 服部・古橋 (2回生対象・春学期・水曜・2限)
 中学校や高校の理科の先生になるための選択必修科目です。服部は、前半に「進化と分類」の分野を担当します。生物多様性を理解するために必要なダーウィンの自然選択説による適応と種分化のしくみ、その結果としての動物地理区について学び、さらに、藍藻類と藻類、植物の違いや原生動物と動物の違いなど、大分類を進化の流れから解説します。その後、動物に焦点を置き、海綿動物・刺胞動物・線形動物・輪形動物・環形動物・軟体動物・節足動物・棘皮動物・脊椎動物について基礎的で重要な点を説明します。適応進化と階層的分類を理解することが到達目標です
●生物学実験 古橋・服部 (2・3回生対象・春学期・火曜・4限と5限)
 中学校や高校の理科の先生になるための選択必修科目です。中学校や高校で理科の生物分野の観察や実験ができるようになるための観察・実験実習です。服部は「生態・環境・分類」の分野を担当します。春から初夏の身近な被子植物と裸子植物の生活形と遷移について野外で観察を行い、その過程で昆虫などの動物とその生息地も観察します。さらに、動植物プランクトンの採集と顕微鏡による観察、水生植物の採集と水辺の環境問題の観察、コンピュータを用いた画像処理と撮影画像の扱い方、最後にプレゼンテーションの方法について学びます。アクティブラーニング形式の授業を実施しています。
●行動生態学 服部 (3回生対象・秋学期・火曜・2限)
 いわゆる専門科目です。動物行動学と生態学の視点から野生動物の行動や生態の調べ方と行動や生態の意味を解説します。遺伝子発現のメカニズムと自然選択による適応進化の理論を学んだ上で、縄張り制や群れ形成、利他行動、協力関係の成立などの様々な生物界のシステムを解説します。また、実験や観察により、科学的にシステムを分析し、モデル化する手法も学習します。行動を制御する神経系や習得的行動、行動の遺伝についても説明します。
 ●生物学演習TA・UA 服部 (3・4回生対象・春学期と秋学期・金曜・3限)
 いわゆるゼミ科目です。生態・環境・分類に関する野外観察教材を開発することが目的です。このために、まず、小中高の教科書に記載されている内容を完全に理解した上で、教科書以外の文献も集め、実際に野外観察を適宜行い、教科書の説明と他の文献での説明の違いや実際の野外観察によって深く理解できることについて、ディスカッションを交えながら学びます。秋学期からは、小中高の教科書の説明を理解するために効果的な野外観察の方法と観察結果のまとめ方を試行錯誤しながら探っていきます。特に観察結果から教科書の説明内容を結論として無理なく導けるような提示方法を学びます。
●理科実験実習法T・U 服部 (3・4回生対象・春学期および秋学期・集中講義)
 理科教員になったときに必要な生物学分野(生態・環境・分類)の基礎知識と野外観察の方法、特に植物の観察、プランクトンの採集と顕微鏡観察、撮影等の記録方法を習得します。実際にキャンパス内で観察したり、プランクトンの採集と顕微鏡観察を行ったり、観察データを分析したり、プレゼンテーションを行ったりして、これらの方法を習得します。また、生態学に関する文献の読み方も練習します。また、キャンパス外で水鳥等を観察したり、撮影したり、博物館等を見学したりして、学校教育の中で実施できる校外での野外観察実習についても考えてもらいます。
●観察・実験指導実習T・U 服部 (3・4回生対象・春学期および秋学期・集中講義)
 理科教員になったときに生物学分野(生態・環境・分類)の野外観察や実験が実施できるように、基礎的な知識や方法を身につけるとともに、児童・生徒が失敗しやすい点に配慮しながら,安全面や環境面への対策を考えてもらいます。特に春学期には琵琶湖博物館や水のめぐみ館「アクア琵琶」などの施設を見学し野外観察を補うように利用する方法を考えてもらいます。また、秋学期は琵琶湖湖岸にて水鳥の観察を行います。
●生物統計情報学特論 服部 (大学院生対象・春学期・金曜・4限:夜間開講科目は春学期金曜6限で偶数年度開講)
 コンピュータや観測装置の発達により、情報の収集や蓄積が容易になった結果、かえって無目的なモニタリングや安易なデータ解析が散見されるようになりました。この授業では、問題設定と仮説検証を重視した情報収集の方法と、コンピュータを利用した統計解析の基礎的な手法を扱います。生物学やフィールドワークの領域内で、景観構造や生物多様性などを対象に、仮説検証型の思考方法とデータ処理について学びます。自らの観察行為に根ざした情報活用力の重要性を理解することを目的としています。
●野外情報収集特論 服部 (大学院生対象・秋学期・火曜・5限: 夜間開講科目は秋学期金曜6限で奇数年度開講)
  インターネットとコンピュータを用いた情報検索システムが発達した結果、かえって現場での観察によるデータ収集の機会が激減しています。この授業では、フィールドワークを想定した一次情報の収集と統計学の応用を扱います。具体的には、主に生物学の領域内で、既存の知識を最大限に活かしながら、野外での観察による情報収集の方法を学びます。景観生態学や動物行動学の方法論に根ざした観察方法を修得することにより、「問題発見能力」を高めることを目的としています。
●情報教育専修課題研究 服部(大学院生対象 春学期・秋学期・木曜・5限
  コンピュータを用いた情報分析と問題設定を重視した情報収集に関する修士論文の作成をこの授業の進行とともに行います。フィールドワークの領域で、生物統計情報学特論で学んだ方法論に基づき、例えば、衛星画像を活用した身近な生物の行動観察を企画・実践し、行動に影響する環境条件や立地条件について、何らかの結論を導いていきます。情報収集の企画から、分析、発表までを工夫して行うことにより、情報活用の実践力を高めることが目的です。また、野外観察教材のIT化にもチャレンジしてもらいます。
 (2018年12月改訂,2022年10月改訂)
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