教職大学院海外研修で、ChiangMai Rajabhat University とChiangMai University を訪問し、交流を深めました

 教職大学院の海外研修として、2月10日から21日の日程でタイ国チェンマイとバンコクを訪問しました。辻延浩教授を団長に、岸本実教授、畑稔彦准教授とともに、教職大学院学校経営力開発コースの現職教員派遣学生3名、教育実践力開発コースの現職教員派遣学生4名、学部新卒学生6名の総勢16名が参加しました。

 2月11日には初日のプログラムとして、ChiangMai Rajabhat University(CMRU)を訪問し、教師教育について共通性と多様性のある課題について熱心に意見交換を行いました。Chatree Maneekosol学長、Pathamarat Nakanitanon副学長、Kamolnut Pholwan教育学研究科長、Manote Nuansara人文・社会学部長、Paweena Kosito国際センター長、Sitah Thayati教育学部副学部長、Kittiya Chuwitcharoenkit 国際センター副センター長、人文社会学部日本語学科のKarina Konlajakwongsa先生らのご協力を得て、有意義な交流をすることができました。

 

 

 

 

 

 

 Kamolnut Pholwan教育学部長からの講演、小野英志(教職大学院1回生、瀬田北中学校教諭)による英語での教職大学院の紹介スピーチをはじめとして、協議は午後まで続けられました。教育の中で最も大切にしていることは何か、教師の質をどう高めるか、教員評価、教員免許の資格要件、教員養成のカリキュラムなどが話題として挙がりました。また、日本の幼児教育、教員の給与、年金、教育学部の志願者数の減少などにも話が及びました。共通の課題の中に、両国固有の多様性のある課題があり、その交流を通じて自国の課題や特質を見出すという貴重な議論ができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 研修4日目の2月14日には、1999年から国際交流協定を結んでいるChiangMai Universit(CMU)を訪問しました。

 

 

 

 

 

 

 まず、教育学部のSoontaree Konthieng先生から、Teacher Education and Curriculum Development in Thailandという演題で、Nampueng Intanate先生から、Management of Graduate School Education という演題でご講演いただきました。また、教職大学院からは、学校経営力開発コース田中弘樹、実践力開発コース金田泰秀、藤池政人、清水陵、山本寛愛から各コースについて紹介し、小野英志、森野浩史、朽木晴香、大藤麻千子、川部長人、今野耀大、辻村拓海、大和紘直から個人の研究内容について報告しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ChiangMai UniversityのCharin Mangkhang先生と、その博士課程の大学院生でもあり、The Far Eastern Universityのビジネス日本語学科長の八巻一三男先生を中心に意見交換が進められました。教職大学院で大切にしていることは何かという質問に対しては、辻延浩教授、岸本実教授が、①滋賀県教育委員会と滋賀大学が協働して教員養成と教員研修を一体的に取り組んでいること、②地域の連携教育校の課題を解決するため、理論と実践を融合させて取り組んでいること、③学校のトップリーダー、ミドルリーダー、新人リーダーの三層が相互に協働して資質能力を育成していることを説明しました。

 また、ChiangMai Universityで教員をめざしているマスターコースの院生に対して、「先生になるにあたってどのような不安があるか」という本学教職大学院生からの質問には、経験が不足していること、小さい学校や様々な地域の学校など多様性があるのでうまく適応していけるかということ、そして成果主義で評価されることについての不安が語られました。タイでの教員の評価については、授業や生徒指導のパフォーマンスと教師としての倫理性に加えて、子どもたちの学力達成度などの成果で教員評価が行われることを再認識しました。

 「日本の子どもはルールをよく守るように教育されていると感じるが、そのために重点をおいて取り組んでいることは何か」というチェンマイ大学の院生からの質問に対して、本学教職大学院生は、まず、自分が大切にされていること、大切な存在であることを認識できて他者を思いやることができること、さらに道徳教育や特別活動、学級活動で話し合いを大切にしていることなどの取り組みを紹介しました。また、子どもを中心において教育を考えることが共通していることを再確認しました。目的、目標、指導そして評価のプロセスを子どもとともにデザインすることが大切で、Teach less, learn more.という言葉も紹介されました。

 本海外研修では、CMRU附属幼稚園、附属小学校、CMU附属中等学校、Sukasonghkro Chiangmai School、Sankamphaeng中等学校、カレン族村の幼稚園、バンコク日本人学校(泰日協会学校)の7校を訪問し、授業参観、教師や子どもたちとの交流を行いました。

 なお、本海外研修の様子はCMRUとCMUのホームページでも紹介されています。

CMRU  http://www.cmru.ac.th/news/2364-.html

CMU  http://www.edu.cmu.ac.th/viewdetail.php?cID=1585&page=5#PhotoGallery