◆先輩の就職活動体験記
<コンビニ業界A社に内定したI君の例>
私が卒業後の進路を考え始めたのは、3回生の11月ごろのことでした。当時、大学院進学か就職かを迷っていた私は、とりあえず、就職活動はやろうというような曖昧な考えでした。年が明けて、周りの人たちも就職活動や公務員試験に向けて動き始めてきたのを知って、そろそろどちらかに絞らなくてはいけない時期になりました。それに誘発されて、どちらにするかを決めなくては何も始まらないと思い、就職活動をすることになりました。
2月5日の日経就職セミナー(合同企業説明会)を皮切りに、本格的な就職活動が始まりました。就職活動を始めて間もないころはセミナーに通いました。いろいろな企業の仕事を知ることができると思ったからです。しばらくはそれで満足していたのですが、セミナーで得られる情報というのは、その企業のホームページに記載されている程度の内容でしたし、セミナーに来られている担当者も、「詳しいことは単独説明会でお話します」とおっしゃっていました。
そこで、自分が興味を持った企業は前もって情報を集めるようにして、説明会はその企業単独の説明会に申し込んで参加するようになりました。2月下旬から3月中旬にかけて15社ほどの単独説明会に参加しました。そして、さらに関心を持った企業は選考へ進むことになりました。
選考の過程では、その初期の段階で筆記試験がありました。この段階においては、あまり自分をアピールできる環境には無いので、そつなくこなそうと思いました。ある会社の人事担当者によれば、「仕事に直接関係しない学問知識を問う筆記試験では、100点を取るのも60点を取るのも変わりない」という話でした。完璧にする必要はないのです。
筆記試験に合格すれば次は面接です。面接では自分の実力がモロに出ます。言い訳は効かないと思いました。実力と言うのは、もう少し具体的に言うと、対応力のことだと考えられます。面接は事前にその質問内容と順番を知ることは不可能です。いつどんな質問がくるかわからない状況です。志望動機やセールスポイントなどの月並みの質問は事前に準備できても、予想していない質問に対しては事前準備をするのは無理です。予想しなかった質問や、自分にとって「これだけは聞かんといてぇ」という質問をされたときの表情やしぐさなどは面接官に印象に残りやすいと感じました。面接では自分の知識が及ばない範囲の質問を受けたこともありました。分からないのだから「わかりません」としか答えようがないのですが、問題はなぜわからないのか、またはわからないのでこれからどうするのかという視点が大切だと思います。
面接終了後には、その面接の結果通知の方法が伝えられます。一次面接や二次面接における通知の方法は「△月×日までに合格者のみ次回の面接の日程をお知らせします」というパターンが8割以上でした。落選しても応募書類が返却されることはほとんどありません。私が選考を受けて落選した企業のなかで応募者類が返却されたのは1社でした。
選考の最後は最終面接です。方式は基本的に一次面接や二次面接と変わりありませんが、一対一であることが多いですし、面接官は年配の方になってきます。結果も合否に関わらず書面または電話連絡にて通知されます。最終面接まで進むと、面接に慣れてきていることも影響して、極度に緊張することはないです。他の応募者もおそらくそういう状況だろうと考えられました。ですから、内容で勝負ということになります。最終面接の前には再度、その会社に対する志望動機を軸にそれまでの活動をふりかえることが必要だと感じました。そして最終面接が終了したら、仮にその会社から内定をいただいた場合に備えて、準備したほうが良いでしょう。具体的にはもう一度その会社のことについて一から調べなおし、自分がその会社で働いているイメージを思いうかべて見ましょう。本当にその会社で働くことに納得しているのかを自問自答するのです。いつの間にか内定を獲得することが目的になっていないかをふりかえってみる必要があります。場合によっては選考を辞退する勇気が必要です。私は最終面接後の合否が通知される前に、1社辞退しました。常に焦りと急ぎは禁物です。後悔しない選択をすることは大切です。 |