2025年3月例会のご案内

 

日本における死後のヒト組織研究利用の推進と死生観の関連 −属性を考慮した探索的検討−

 

   報告者 :藤原優輝氏(京都大学 非常勤研究員)

 

★日時:2025年3月8日(土曜) 14:00〜17:00

 

★場所:神戸市青少年会館 サークル室B

 

 今回は、これまで数回参加されたことのある藤原優輝さんに、上記の題目でご発表いただきます。青年心理学固有のテーマではありませんが、属性間の比較もあるとのことで、青年の独自性も他の世代との比較から見えてくることと思います。多くの方のご参加をお待ちしています。藤原さんからは以下の概要文をいただいています。

 

  近年ヒト由来の組織や細胞を用いた医学的研究が世界各国で実施され、がん細胞や生殖細胞に関する新たな知見獲得が進んでいます(Duregon et al., 2019)。一方で、医学研究を進める上では、研究に参加する一般市民の方々からの理解や賛同を得ることが不可欠です(澤井, 2024)。特に死後のヒト組織や細胞の研究利用推進に関しては、社会を構成する人々の死生観・宗教観・文化観を考慮する必要があります(三成, 2023)。
 日本では人の死生に関する研究は2000年以降注目されるようになり、死への態度や死生観に関する研究結果が蓄積されてきています(川島・近藤, 2016)。中でも日本の宗教観や文化観を考慮した死生観尺度(平井他, 2000)を用いた先行研究では、死生観そのものに性差や年齢差があることが報告されています(関谷, 2023)。死生観に属性による差があることは明らかになりつつも、これまでに日本で上述した両者、「死後のヒト組織研究利用に対する意識と死生観の関連」については十分な検討がなされていません。
 そこで広く一般市民の方々(n=3,000)を対象に「死後のヒト組織研究利用および死生観に関する調査」を実施し、両者にどのような関連があるのかを調査分析しました。本発表では、属性差もふまえた同調査の分析結果を発表させていただきます。特定の答えのない本課題を多様な視点で捉えるため、みなさまから貴重なご意見や考察を伺い、議論を深めたいと思っております。

 

 たくさんの方のご参加をお待ちしております。

 

★引き続き、ご発表くださる方を募集しております。ご希望される方は世話人の若松までメールをください。このHPのトップページにアドレスがあります。90分だけのハーフタイムでもけっこうです。その場合は、もう一人の方とのダブル・ヘッダーになります。