4つの改革方針

社会の変化や諸課題に対応しうる高度な専門性を備えた力量ある教員の養成という基本理念を踏襲しつつ、次の4つの改革方針により、滋賀大学教職大学院を充実・発展を図りました。

①データサイエンス教育の導入

将来予測が難しい社会において、適切な情報の活用による子どもの主体的な価値創造の能力を育成するためには、教師自身がデータを読み解き利活用する能力、すなわちデータサイエンスの基礎的な力を身に付けることが求められます。また、日々の教科指導や学級経営などの教育実践を、エビデンスに基づいたアプローチによって振り返り、改善していくことがこれからの教師には必要です。そこで、データサイエンス教育の拠点大学としての滋賀大学の強みを活かし、データサイエンス基礎力を基盤的能力として教育課程に位置付けています。

 

②確実な教科の指導力を備えた教員の養成

新設の「授業実践力開発コース」では、教科の専門性や高度な教材開発力・指導力等を確実に身につけた新人教員を養成します。教科指導力、教材開発力、授業実践力の向上を目指す科目は、コース間連携科目として、すべてのコースの学生も履修可能として設定されています。

 

③地域の多様な教育的ニーズ(ダイバーシティ)に対応できる教員の養成

新設の「ダイバーシティ教育力開発コース」では、障害、いじめ・不登校。外国人児童生徒、幼小連携等、多様な教育的ニーズに対応できる高度な専門性を身につけ、その専門性を活かして学校教育に貢献する教員を養成します。

 

④教員のキャリアステージに対応した資質・能力の育成と養成する教員像の明確化

高度専門職業人としての教職生活全体を支える観点から、学部新卒学生および現職教員学生のそれぞれのキャリアステージに応じて必要な資質・能力を育成するコース編成とします。滋賀県の「人材育成指標」との対応関係も重視します。学部新卒学生を主な対象とした上記新設コースは、準備ステージから第Ⅰステージ(実践力形成期)の教科・学級担当としての実践力を備えた新人教員を養成します。教育実践力開発コースでは、第Ⅱステージ(成熟発展期)に求められる学校、地域、学年、分掌等におけるミドルリーダーとしての資質・能力を育成します。学校経営力開発コースでは、単位学校を超えた視野を備え、地域レベルで学校改善をけん引できる教育行政職を含めたトップリーダーとしての資質・能力を育成します。