高度教職実践専攻(教職大学院)
高度教職実践専攻は、学校経営力開発、教育実践力開発、授業実践力開発、ダイバーシティ教育力開発の4つのコースを設けています。
学校経営力開発コース
学校経営力開発コースは、現職教員を対象として、学校や地域の教育課題を俯瞰的に把握し解決する課題解決力、学校の組織・カリキュラムを改革できる学校マネジメント力、地域と歩む学校づくりを推進する連携協働力を備えて、地域レベルの学校改善を牽引できるトップリーダー(地域リーダー)を養成するコースです。
教育実践力開発コース
教育実践力開発コースは、現職教員を対象として、広い視野で教育活動を俯瞰し、同僚と協働して、校内研修を企画し、教科指導や生徒指導を牽引できる高度な教育実践力を備えたミドルリーダーを養成するコースです。
授業実践力開発コース
授業実践力開発コースは、主に学部新卒学生を対象として、学級・教科担任として十分な教育実践力、授業実践力と学級経営力、保護者や地域と連
携できるコミュニケーション力、同僚教師と協働して新しい学びを推進できる能力を備えた新人教員を養成するコースです。
ダイバーシティ教育力開発コース
ダイバーシティ教育力開発コースは、学部新卒学生・現職教員対象として、発達上の課題や障害、心身疾患・問題、いじめ、不登校、虐待、外国人児童生徒など、多様な教育的ニーズを抱える子どもの育ちを広い視野から的確に捉えて、発達や心の健康を支える専門性を備えた教員を養成するコースです。
学校経営力開発コースの特色
本コースでは、学校単位はもちろん地域レベル(中学校区や自治体等の圏域)も含む学校改善を牽引できるトップリーダー(地域リーダー)の養成を目指します。そのために、学校や地域レベルの改革の理念の構築と具体化にかかる教育政策立案能力、学校経営企画力、学校マネジメント力、改革の理念を学校内で共有及び地域に発信するコミュニケーション力、地域連携協働力を育成します。
本コースで育成しようとする資質能力は、滋賀県教育委員会策定の「滋賀県教員のキャリアステージにおける人材育成指標」において管理職に求められている「学校教育の原動力」「学校経営の推進力」「関係機関との連携力」の3つの資質能力と連動しています。とりわけ滋賀県では、市町等地域レベルでの課題解決が期待される教育課題が多いことから、本コースにおいては、地域の教育課題を一学校の単位を超えて俯瞰的に把握し解決する課題解決力や、地域と歩む学校づくりを推進する連携協働力の育成に、より力を注ぎ、重点を置きます。
学校経営力開発コースで養成を目指す資質能力
・学校・地域の教育課題に効果的に対応する教育政策立案能力等の学校経営企画力
・学校の組織とカリキュラムを改革できる学校マネジメント力
・改革の理念を学校内で共有し、地域に発信するコミュニケーション力
・地域と一体となって教育力を発揮する学校づくりを推進する、危機管理力を含む地域連携協働力
教育実践力開発コースの特色
本コースでは、新たな教育実践を追究し、学校内外で推進できるミドルリーダーの養成を目指します。そのため、授業改善やカリキュラムマネジメントを行うカリキュラム開発力、新しい学びの構想力、広い視野から子どもを多面的に捉えて学びの基礎をつくる生徒指導や学校経営を行う実践力、学校や地域との連携力、若手教員の実践力向上に取り組む協働力などを育成します。
本コースで育成しようとする資質能力は、滋賀県教育委員会策定の「滋賀県教員のキャリアステージにおける人材育成指標」の教諭職・第Ⅱから第Ⅲステージの指標とされる「学年・分掌等を見据えた」、「学校全体を見据えた」実践力に連動するものです。本コースでは、各自のこれまでの10年前後にわたる教職経験を振り返り、現場の現状・可能性を省察し、自らの実践課題を選択し追究する「教育実践課題解決」を中軸に据え、より高度な教育実践力を校内や地域で協働的に展開していけるように力を注ぎます。
教育実践力開発コースで養成を目指す資質能力
・授業改善に向けた多面的評価や学校独自のカリキュラムマネジメントを行うカリキュラム開発力
・新たな教育課題を発見・探究し、解決に向かう新しい学びの構想力
・学校や地域との連携、同僚(とりわけ若手教員)の支援を通じて、教育力の向上に取り組むための協働力や支援力
授業実践力開発コースの特色
本コースでは、主に学部新卒学生を対象とし、確実な授業実践力、教科指導力、学級経営力を備え、新しい学びを推進できる新人教員の養成を目指します。そのため、学部での学修を発展させ、科学的・俯瞰的な視点から授業をデザインする力、同僚や保護者等との協働力やコミュニケーション力などを育成します。
本コースで育成しようとする資質能力は、滋賀県教育委員会策定の「滋賀県教員のキャリアステージにおける人材育成指標」の準備ステージ(採用前段階)を超えた第Ⅰステージにおける「学級・教科担当等を中心にした実践」につながり、その中で求められている「教材研究力」、「学習形態の工夫や適切な指導方法」、「児童生徒理解」、「同僚とのコミュニケーション」、「保護者との連携」等とも連動しています。
授業実践力開発コースで養成を目指す資質能力
・学部の学修を発展させたより高度な授業実践力と授業研究力
・教科横断的な学習における授業実践力
・教育課題を科学的及び俯瞰的に捉え直す力
・新しい学びを同僚教師とともに推進する協働力
・同僚、保護者、地域と連携できるコミュニケーション力
・学び・成長し続けるための自己省察力
ダイバーシティ教育力開発コースの特色
本コースでは、多様な教育的ニーズを抱える子どもの育ちを広い視野から的確に捉え、発達や心の健康を支える専門性を備えた教員の養成を目指します。そのために、特別支援教育・インクルーシブ教育の推進力、関係者・関係機関と連携しながら学校を支援できるコーディネート力、多様な教育的ニーズに応じた個別の指導計画や教育支援計画等の編成力、心理検査の知識と理解をベースとしたアセスメント力を育成します。
本コースで育成しようとする資質能力は、滋賀県が策定している「滋賀のめざす特別支援教育ビジョン(実施プラン)」(平成28年3月)において具体的に取り組むべき事項として示されている「発達段階に応じた指導の充実」、「教員の指導力や専門性の向上」、「教育における連携(役割分担)の推進」等に直結します。また、日本語指導が必要な外国人児童生徒等(日本国籍の児童生徒を含む)が滋賀県において近年再び増加しており、今後さらに増加が見込まれることから、滋賀県が目指すきめ細やかな支援の充実や教育機会の確保・共生についても理解を深めます。
ダイバーシティ教育力開発コースで養成を目指す資質能力
・学校園における特別支援教育、インクルーシブ教育の推進力
・教員、保護者、学校内外の他職種専門家、専門機関との連携を推進し、チーム学校支援に貢献できるコーディネート力
・多様な教育的ニーズとその背景要因を多面的に見取り、支援方針を立て、個別の指導計画や教育支援計画等を編成できる力
・心理検査に関する深い知識と理解をベースにしたアセスメント力