教職大学院が目指す教員像

学び・成長し続けるための自己省察力

今日の社会の急速な進展の中で、教育者として求められる知識・技能を常に刷新し、実践的指導力のさらなる向上を図っていくために、探究力を持って継続的に研究と修養に努めていくことのできる「学び続ける教員」が求められている。本専攻では、学校・教育現場を主要な学びのフィールドとし、優れた専門性を持つ研究者教員と豊かな実務経験を持つ実務家教員の連携・協働による指導を通じて、理論と実践の融合の中で自らの実践的指導力を子どもの学びを向上させる視点で高め続けることのできる能力の育成を目指す。自己省察力は3つのレベルの学生すべてに共通する目標であり、教員が生涯にわたって持ち続けることが求められる究極目標である。

新たな学びを生み出すための学校課題解決力

今日の複雑な課題を抱える学校課題の解決のためには新たな学びを生み出すための授業・学級経営の課題解決力が必要である。学校課題解決力は、スクールリーダーとしての管理職、教員集団を実践的にリードするミドルリーダー、そして新しい課題に対応する専門力を身に付けた新人教師の各層の教師が、各層の役割に応じて共通に身に付けることが求められる。管理職はカリキュラムや学校組織のマネジメントを通した学校課題解決力、ミドルリーダーは同僚や後輩教師の授業や学級経営をリードし、自らそのモデルを提示できる学校課題解決力、そして、新しい課題に対応する専門力を習得した新人教師は、管理職や先輩教師の経験の支えを得ながら、新たな学びを生み出す課題解決力が求められている。求められるレベルはそれぞれ異なるが、学校課題解決力の育成を共通の目標として目指す。

同僚教師、専門家、地域との協働力

児童・生徒のニーズの多様化や学校現場における教育課題の複雑化を受け、学校全体としての組織的対応や地域・行政とのより緊密な連携・協力、「チーム学校」の推進が喫緊の課題となっている。本専攻では、「地域協働実習」を始めとする実習プロジェクトとして具体的な教育課題の解決・改善に取り組む中で、他者とのコミュニケーションを通して対応策を構築する力、学校や地域の共通理解を形成する力、学校内外の関係者と協働して役割分担しながら課題解決に向かう力の育成を目指す。管理職には学校を地域に開き、行政も含めより広い視野で協働する学校をマネジメントする協働力が、ミドルリーダーには地域連携を視野にいれつつ校内の同僚性や専門家を含む「チーム学校」を実践的に推進する協働力が、新人教師は、管理職や先輩教師、同僚、保護者や地域とのコミュニケーションを進めていくことのできる協働力が求められている。このように各層の役割に応じて求められるレベルは異なるが協働力は各層すべての教員に求められる共通目標である。