令和4年度 研究テーマ
対話型の学習で育むグローバル社会に生きてはたらく資質・能力の育成
-「問い」を機軸に構成されたカリキュラム・マネジメントの実現を目指して-
本校は、論理的思考を促す学習のあり方を研究の柱に据えて、思考ツールを授業で活用することで生徒の主体的な学びを支えてきた。また、教科等と総合学習「BIWAKO TIME」(以下「BT」)を探究的な学習方法でつなぐことによって主体的・対話的で深い学びに迫ったり、生徒の学びと実社会に生きてはたらく力を結ぶことを目標において授業改善に取り組んだりしてきた実績がある。探究的学習活動の到達点として「生徒自ら『問い』を立て、情報を収集し、それらを整理・分析し、発表とまとめを経た後に、新たな『問い』を立てていくスパイラルの構築」をBTで具現化させることを目論んでおり、そのために新しい能力概念として「グローバル社会に生きてはたらく15の資質・能力」を定義して生徒の探究的学習活動を展開させている。
一昨年度よりスタートした研究で、BTにおける「問い」の善し悪しの生徒の判断基準に、教科の授業で育まれた様々な「問い」に触れて生徒が身につけてきたものがあることが判明し、教科等で授業者が設定している「パフォーマンス課題」や「単元を貫く『問い』」が重要な役割を果たしているという実態を把握することができた。さらに生徒が「問い」を立案したり更新したりして「良質な問い」に至る過程に、交流活動や振り返りなどの自己内対話が大きく作用していることが判明した。一方で、探究的学習活動においては、コンテンツ・ベースとコンピテンシー・ベースが混在し、カリキュラム・マネージメントの核が見えにくいという指摘もあった。
以上のことから、本年度の研究では、「良質な問い」を発現させるための研究を教科等とBTをつないで実践・評価するともに、「グローバル社会に生きてはたらく15の資質・能力」のうち「多様性を尊重する態度」「自分事として物事をとらえる態度」「多面的・多角的に考える力」に重点をおいて、対話型の学習についての研究を深めることとする。
キーワード 探究的学習活動、資質・能力、カリキュラム・マネジメント、グローバル教育、対話型の学習