大平雅子教授がユニ・チャーム(株)と共同研究―おむつに光る「おやすみシール」 子どもの入眠環境改善を立証―

                                             2021年10月7日

 教育学部の大平雅子教授がユニ・チャーム株式会社(代表取締役 社長執行役員:高原豪久、以下、ユニ・チャーム)と共同研究を行い、ユニ・チャームの商品「オヤスミマン」(子ども用夜専用おむつ)に、光る「おやすみシール」を搭載することで寝る前ルーティン(※)”が身につくことを立証しました。新「オヤスミマン」は10月下旬から全国で順次発売されます。

 大平教授とユニ・チャームは、「おやすみシール」を使用することによる「寝る前ルーティン」時の親の気持ち および お子様の睡眠状態について検証、就寝中のメラトニン(※2)代謝産物の変化を研究しました。その結果、「おやすみシール」を搭載した新オヤスミマンを使用することで、寝る前にトイレに行かなくてイライラする、なかなか寝室に行かなくてイライラする、のいずれかの項目において30名中22名の方からイライラが減ることが確認できました。
 成長過程にいる子どもには大人以上に十分な睡眠時間の確保が大切ですが、諸外国と比較して、日本の子どもは就寝時間が遅く、睡眠時間が短いことが報告されています。大平教授の共同研究で入眠環境改善が立証された新「オヤスミマン」は、①「寝る前」トイレ(入眠儀式)の習慣化をお手伝いし、②入眠前から自然とお部屋の消灯を促すことができ、お子さんが自ら進んで寝るようなことができる環境づくりをサポートします。

1:寝る前ルーティン:寝る前にトイレに誘導したり、電気を消し光環境を整えること。
2:メラトニン:脳の松果体(しょうかたい)と呼ばれる部分から分泌されるホルモン。体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれている。

 

詳細は以下をご覧ください。

 

【本学とユニ・チャームの共同研究内容】

「おやすみシール」を使用することで「寝る前ルーティン」時の親の気持ち および お子様の睡眠状態についての検証

◇検証の概要
期間:2021年3月
対象者:夜就寝時に紙おむつを使用している2~5歳のお子様と親(合計60組)に調査

◇検証の方法
●2つのグループを設定
  Ⅰ群:普段品1週間使用後、新オヤスミマン2週間使用するグループ(30組)
  Ⅱ群:普段品のみを3週間使用するグループ(30組)

●親の気持ちの変化のアンケート設計は、新オヤスミマンを使用したグループに対して実施。
 普段品使用時と新オヤスミマン使用時において、
   ・寝る前にトイレに行かなくてイライラする
   ・なかなか寝室に行かなくてイライラする
 という設問に対し「非常にそう思う」10点~「全くそう思わない」1点で評価。

●お子様の睡眠状態については、メラトニンの代謝産物を測定。測定設計は、夜間紙おむつへの排泄が無かった日の朝にお子様のおしっこを採取。
新オヤスミマン使用時はおやすみシールを使用してトイレ誘導や真っ暗睡眠を促し、 普段品使用時はトイレ誘導はせず豆電球睡眠を促した。
(分析対象はおしっこが採取できたⅠ群16名、Ⅱ群10名)

◇検証の結果
・親の気持ちの変化

新オヤスミマンを使用することで、寝る前にトイレに行かなくてイライラする、なかなか寝室に行かなくてイライラする、のいずれかの項目において30名中22名の方からイライラが減るという結果が得られました。

・メラトニン代謝産物の変化
一般的に、良質の睡眠を得る為には、夜間のメラトニンの代謝産物が重要と言われています。

新オヤスミマンを使用したグループは、メラトニン代謝産物が125%増量する(有意差あり、効果量大)という結果が得られました(グラフは開始日を100としたときからの変化)。

大平雅子教授のコメント   

 諸外国と比較して、日本の子どもは就寝時間が遅く、睡眠時間が短いことが報告されています。最近では、幼児を中心として、徐々に就寝時間の改善がみられていますが、依然として大人の生活スタイルの影響で十分な睡眠時間を確保出来ていない子どもが多いのも現状です。睡眠は、「脳の発達」「身体の成長」「心の発達」に関して、重要な役割を果たしています。そのため、成長過程にいる子どもには大人以上に十分な睡眠時間の確保が大切です。
 また、良い睡眠には時間の確保だけではなく、リズムも大事です。ヒトは昼に活動して夜は眠る動物なので、身体の中の体内時計をそれに合わせて整える必要があります。その体内時計と深く関わりがあるのが体内時計を調節する「メラトニン」というホルモンです。しかし、このメラトニンは、明るい照明の下では分泌が抑えられてしまう性質があります。さらに、子どもの眼は大人より光の透過性が高く、光の影響を強く受けてしまうことも分かっています。
 乳幼児の安定した入眠には入眠儀式(寝る前のルーティン)を決めてしまうことも一つの方法です。絵本の読み聞かせや子守唄は古くから行われているものになりますが、入眠儀式に決まりはありません。親御さんの負担にならずに、お子さんにとって寝ることが楽しくなるようなものを探してみてください。
 この新しいおむつには、光るおやすみシールが搭載されており、①「寝る前」トイレ(入眠儀式)の習慣化をお手伝いし、②入眠前から自然とお部屋の消灯を促すことができます。お子さんが自ら進んで寝るようなことができる環境づくりをサポートできることを願っています。

ユニ・チャームHP
https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2021/1007-01.html