滋賀大学CST養成プログラムの夏季集中研修を開催しました

 滋賀大学教育学部では、滋賀県教育委員会並びに県内各市教育委員会との連携協力を得て、地域の小・中学校理科教員を指導する立場であるコア・サイエンス・ティーチャー(CST)を養成しています。
 令和元年度(2019年度)のCST養成事業の最初の研修プログラムとして、8月5, 6, 21日に教育学部において夏季集中研修を開催しました。
 現職教員対象の集中研修では、1)観察実験の基礎的技能の習得と専門的な知識を深め、その理解力を高める、2)教員研修会の企画や運営に係わるマネージメント力、教材開発力、他教員への支援力を高める、3) 模擬研修会の実施を通して、研修講師・指導的教員としての実務を身につけることをねらいとしています。今年度は大津、草津、守山、彦根、長浜市の教育委員会からご推薦いただいた5名の先生方が候補者として受講されました。
 初日の5日には、滋賀県教育委員会の青木先生からは「学びの質」を高める授業展開として、問題解決および科学的に探求する力の育成について、また昨年まで国立教育政策研究所におられた滋賀県総合教育センターの多田先生からは教員のための学力調査結果の活用についての講義を受けました。その後、研修企画運営論としては、CSTに求められる資質能力を確認し、模擬CST活動のスタートとなりました。
 2日目の6日には、観察実験力および理解力アップ研修を生物分野と地学分野で実習形式として受講し、先端科学実験指導研修では大腸菌を用いた実験を行い、理科教育としての視野を広める経験をされました。
 最終日の21日には、教員研修会講師を実践する場として、地域の理科教育における課題への対応を目的とした研修内容を自ら企画し、模擬教員研修会を実施していただきました。そこには准CST認定を目指す本学の大学生も参加しました。各CST候補者の先生方の取り組みに対して滋賀県教育委員会並びに各市教育委員会の指導主事などの先生方や附属学校教諭、大学教員によるご協議とご指導をいただき、今後への活用として学ばれました。
 これからCST認定へ向けて各勤務校において実施される模擬CST活動(教員研修会および授業研究会)などに県教委、市教委並びに大学が支援していきます。

1日目 8月5日(月)

 午前には、滋賀県教育委員会幼小中教育課の青木先生から『「学びの質」を高める授業展開について』、滋賀県総合教育センター科学教育係の多田先生からは、全国学力調査の結果を基に『理科学力の現状と指導法の基礎・基本について』と題して、滋賀県の教育の現状を踏まえ、ご講演いただきました。

CST研修指導実践論
(滋賀県教育委員会 青木先生)

CST研修指導実践論
(滋賀県総合教育センター 多田先生)

 

 

 

 

 

 

 

 午後からは、顕微鏡を使った観察や実験力を向上するための技術や指導方法について、石上三雄本学名誉教授から講義をいただきました。

観察実験力アップ研修・顕微鏡(石上先生)

観察実験力アップ研修・顕微鏡(石上先生)

 

 

 

 

 

 

2日目 8月6日(火)

 午前中は、杉江教育学部長からCST候補者の先生方に対し、質の高い教育実践を行い、他教員へ指導できる中核的役割を果たしてほしいとの言葉がありました。引き続き大山真満准教授より、現職教員が授業するうえで特に難しいと感じる天文分野について、指導上の注意点などを踏まえて講義をいただきました。

杉江淑子教育学部長の挨拶

理解力アップ研修・天文分野(大山先生)

 

 

 

 

 

 

 
 午後からは、糸乗前教授より大腸菌を使った先端科学実験を指導していただきました。

先端科学実験指導研修・化学分野(糸乗先生)

先端科学実験指導研修・化学分野(糸乗先生)

 

 

 

 

 

3日目 8月21日(水)

 1・2日目の講義・実験を踏まえて、自校での経験を基に40分間の模擬教員研修会を行い、実施後には県・市教育委員会の先生方、附属学校理科担当教諭、本学教員からご講評をいただきました。

研修企画運営実務研修1

研修企画運営実務研修2

 

 

 

 

 

 

 

研修企画運営実務研修3

研修企画運営実務研修4

 

 

 

 

 

 

 

研修企画運営実務研修5

研修を受けて講評