第1回教員育成フォーラムを開催しました

 2020年2月7日午後、滋賀大学大津キャンパス本館大会議室において、第1回教員育成フォーラム「教員育成指標と入職前(準備ステージ)教師教育の現在とこれから」を開催しました。滋賀県内教育委員会及び小・中学校関係者、本学教員、大学院生(派遣教員)・学部学生あわせて23人が参加しました。
 本フォーラムは、2016年の教育公務員特例法改正、これを受けた「滋賀県教員のキャリアステージにおける人材育成指標について(以下「指標」)」策定を踏まえて、教育委員会・学校・大学(教員養成機関)それぞれにおける教員の資質・能力向上への取組の充実を目的に企画されました。初回である今回は、入職期(特に採用前段階/準備ステージ)に焦点を当てて、教育学部・教職大学院での教員養成の現状と工夫、教員委員会・学校現場の入職期教員へのまなざしや取組を、パネル討論のかたちで情報交換・共有することとしました。
 冒頭、杉江淑子教育学部長の挨拶の後、滋賀県教育委員会事務局教職員課 小寺岳正人事主事より、滋賀県教育委員会における指標策定の経緯(滋賀県教員育成協議会の協議の経緯等)、指標の内容や重視する点について説明がなされました。
 続いて、パネル討論として、大学・教育委員会(県総合教育センター)、学校それぞれの立場における入職期教員の育成への取組の具体・課題意識の報告・交流が行われました(コーディネーター:大野裕己教授)。まず、若松養亮教授より、滋賀大学の教員養成教育の実際、学生が学び・育ちにおいて向き合う課題、大学教員側の指導の工夫や課題意識(大学における研究知を教育にどのように還元しうるか等)について、指標に照らして報告されました。次に、滋賀県総合教育センター 曽根昭信参事より、センターが実施する初任者研修を中心とする研修体系、育成において重視している点について、指標の(キャリアステージ全体にわたる)連続性を踏まえて、また受講者である初任教員の様子を例示しながらご報告いただきました。そして、甲賀市立水口小学校 中村康春校長より、初任教員の学校現場での育ちやその契機について、4月1日に「先生」となる劇的な変化や戸惑い、それを乗り越えていく姿を交えてご報告いただくとともに、教員の世代交代が加速化する中で学校での育成機会をどのように設定できるか創意工夫を重ねていることを教えていただきました。
 全体討論においては、3報告を踏まえつつ、フロアの学部学生・教職大学院現職院生の意見も交えて、今後の入職期教員育成の可能性や指標のブラッシュアップの視点について活発な意見交換がなされました。特に今回の討議においては、各主体の育成の課題意識と工夫を共有するなかで、大学が捉える教員養成教育の課題、あるいは学校・教育委員会の育成の課題を積極的に解決しうる大学・学校等の連携・協働の取組の可能性が報告者・参加者で具体的に検討された点が意義深く感じられました。
 滋賀大学・滋賀県教育委員会の連携組織である「滋賀大学・滋賀県教育委員会連携推進会議」に置かれる各専門委員会では、活発な連携の取組が生まれてきています。人材育成専門委員会による今回のフォーラムもその一環となります。ご参加くださった皆様にあらためてお礼申し上げます。

杉江学部長挨拶

小寺人事主事による説明

若松教授報告

曽根参事報告

中村校長報告

全体討論の様子