滋賀県立甲良養護学校 教育学部附属教育実践総合センター共同研究 『特別支援学校(知的障害・肢体不自由)のカリキュラムマネジメントに関わるアクティブ・ラーニングを取り入れた研修プログラムの開発』 (ダイバーシティ教育力開発コース山川直孝研究室)

                                             2022年2月17日

 新学習指導要領をふまえた教育課程の充実が課題となっており、滋賀県立甲良養護学校では、授業研究や授業改善の推進が学校経営の重点に挙げられています。そこで、小学部と教育学部附属教育実践総合センターとの地域共同研究で「特別支援学校(知的障害・肢体不自由)のカリキュラムマネジメントに関わるアクティブ・ラーニングを取り入れた研修プログラムの開発」をテーマに、教員どうしの関係性を大切にしたグループワークを織り交ぜながら、教員の主体的な学びを促す研修会を行いました。
 各学級は複数担任制で、担任どうしのグループになって、児童一人ひとりの教育的ニーズの的確な把握と関わって発達検査の演習を行ったり、各学級で一年間取り組んでいる授業をまとめた「年間カリキュラム表」を作成して、各教科・領域の系統性や他の教科・領域との関連性、学校教育目標とのつながりについて協議したりしました。参加者は、タブレットやスマートフォンを持参し、グーグルフォームを使って全員が意見を出し、その意見を一覧にして全体で共有し比較検討したり、講師がその場でフィードバックしたりとやりとりも活発に行われました。参加者に行った事後アンケートでは「クラスで話し合ったり、その話し合った内容を共有できる時間があったため、それぞれのクラスのことを知ることができてよかった」「授業実践が個別の指導計画とリンクできているかという点の大切さを考えることができた」「年間カリキュラムを横だけでなく縦でも見るというところは参考になった」「全部の教科・領域の一年間を見渡すということはやっていなかったので、やるといいなぁと思った」などと肯定的な評価が得られました。また「日々の業務に追われてクラスで話す時間がなかなか取れない中だったので、演習がとても楽しかった」とグループワークのメリットについてのコメントも多く寄せられ、教員の同僚性が深められたことも示唆されました。
 「子どもたち誰一人取り残さない」「質の高い教育の提供」というSDGsの理念に基づき、特別支援学校の教育課程充実に向けた取組を今後も進めます。