自主参加体験メルボルン・プログラム

 教育学部では、教育現場でのグローバル化や多文化共生の実際を体験する目的で、教育参加科目「自主参加体験」の海外プログラムの整備を進めてきました。2016年に始まったタイ・チェンマイでのプログラムに続き、今年度はオーストラリア・メルボルンでのプログラムを立ち上げました。
 今年度は8月7日(水)より20日(火)にかけて、3回生と4回生の2名の学生が参加しました。受け入れ機関とのスケジュールの調整や今後の進め方を協議するために、教員1名(平井)が帯同しました。滞在中、それぞれがホームステイをしながら、現地の公立小学校、日本人学校、日本語補習校、大学附属の英語学校を訪問しました。
 訪問した現地の二つの小学校では、多文化共生のための取り組みについて説明を受けたり、日本語の授業中にサポートに入ったりしました。日本の学校の授業風景とまったく様子が異なり、戸惑いもありましたが、それぞれの良さや課題が見えて貴重な体験をしました。
 ディーキン大学附属英語学校では、基礎英語と大学入学直前の学生を対象とした授業を見学しました。またボランティアの学生(モンゴルからの留学生)の案内でキャンパスツアーをして、オーストラリアの大学の雰囲気を感じることができました。
 メルボルン補習校では、日本語が母語でないが日本にルーツがある子どもたちが、日本語オンリーの環境の中で国語と算数(数学)を学んでいました。最初の訪問では、校長先生に話を伺った後、授業を見学させていただきました。その次の訪問では、先生の補助としてクラスに入り、授業の手伝いをしました。
 メルボルン日本人学校では、日本の小中学校と同じ教科書を使い、ほぼ同じカリキュラムで授業が行われていました。2名の学生は3日間、それぞれ小学部と中学部のクラスに担任の先生の補助として入りました。休憩時間には子どもたちといっしょに体を動かしたり、おしゃべりをしたりして交流をしました。
 今回は性格がまったく異なる学校を訪問し、オーストラリア社会の多様性とグローバル化の実際を垣間見ることができました。学生にとっては言葉の不自由さもあり、また異国の地で一人で動くことも多くて緊張の連続でしたが、日本ではできない貴重な体験ができました。
 今回のプログラムは、現地の方々のご理解とご協力で実行することができました。ここに改めて、お世話になった皆さまにお礼を述べさせていただきます。(文責 平井肇)

3日間実習をしたメルボルン日本人学校の正門

現地の小学校を訪問した際にお世話になった先生といっしょに