特別支援教育フォーラムを開催!県内外より155名が参加!! 子どもたちの学びをつなぐために何ができるかを考え合うあたたかい時間になりました

 12月21日(土)午後、「どうつながる?通常の学級と通級指導教室PartⅡ~地域の支援をつなぎ、通常の学級での学びの充実を目指す~」をテーマに、教育学部大講義室で特別支援教育フォーラムを開催しました。県内外より、小学校、中学校、特別支援学校の現職教員や教員をめざす学生・院生など155名が参加し、実践報告やフロア全体での意見交流にしみじみとうなずきながら熱心に耳を傾けていました。
 はじめに、高島市立高島中学校の大村敦世教諭に、今年度新設されたばかりの中学校での通級指導教室での実践を報告していただきました。その中では、中学生ならではの課題にも目を向けながら、子どもたち自身の「がんばりたい」という気持ちを支え励ます場としての通級の大切さが語られました。東近江市立蒲生北小学校の少徳眞美教諭は、具体的な子どもの姿を通して、一人ひとりのねがいを丁寧に聴きとることが子どもの主体性を引き出し、子どもの成長につながることを報告されました。また、守山市立発達支援センターの苗村より子発達支援コーディネーターからは、相談支援や発達相談、訪問相談から見えてくる子どもや保護者、学校を取り巻く現状と課題について整理していただき、今後の連携のあり方への示唆をいただきました。またフロア全体では、自治体ごとの通級指導教室運営のちがいや、関係者の間でまだまだ通級指導教室に対する理解に温度差があるといった実態についても交流し合うことができました。教員志望の学生からも積極的な発言があり、お互いがそれぞれの立場で何をしていけるかを考える機会になりました。
 会場には、県内特別支援学校児童生徒の作品や、通級指導教室で使われている教材・教具等がたくさん展示され、参加者は1つひとつ実際に手にとりながら、子どもたちの意欲を引き出すために、自信を持って学べる力を育てるためにどうすればいいかを考えている様子がうかがえました。参加者からは、「具体的な事例を通して大切にすべき特別支援教育の根本をもう一度教わり見つめ直す機会になりました」「学びのつながりを意識することによって、それぞれの思いをつなぐことにもなるのではと再確認できました」「子どものがんばりについて語り合える職員の雰囲気作りが何よりも大切なんだなと改めて思います」といった感想が寄せられました。また、教員を志す学生からは「実際に自分が教師になって、クラスの担任を持つことになったときに考えなければならないことをたくさん学ぶことができました」「子どもに寄り添い、求めているものに応えられる先生になりたいと強く感じました」などの頼もしい感想もありました。
 参加者の中には「今年度、初めて通級指導教室の担当になりました」という方も多く、日々悩みながら手探りで試行錯誤している方が少なくないことを実感しました。今日というフォーラムの場が、子どもの教育に携わる一人ひとりが「独りではない」ことを確かめ合い、つながり合って、明日の実践を切り拓いていくきっかけになっていれば幸いです。たくさんのご参加をありがとうございました。

 

特別支援学校児童生徒の作品展示

シンポジストのみなさん

フロアを交えての意見交流