まず、科学技術や情報通信技術の基礎を学びます。次に、それらが私たちの生活に深く浸透して利用されていることを理解した上で、健全な情報社会の発展や科学技術の進歩に寄与できる実践的能力をもつとともに、生活に必要な技術を身につけ、生活の中で工夫し創造する能力をもった子どもを育てるための理論と方法について学びます。さらに、初等・中等教育における情報科教育、メディア教育、技術科教育のリーダーとして、これら3分野の教育に関するカリキュラム開発や教材研究を行い、児童・生徒の実態に即した指導計画を作成して実践できる優れた教員の養成を目指します。
本専攻で学ぶ、情報と技術に関する広い知識、および、各種メディアを活用できる能力を応用して、e-Learningやインターネットを積極的に活用した学習環境の中で、文理融合の情報学、科学技術リテラシーに関する教育も推進します。
スタッフ紹介
磯西和夫(教授:金属加工,機械工学)
新しい材料を新しい方法で作る。
金属材料とその加工成形法、その中でも特に粉末冶金法を用いた金属材料の開発と成形を専門としています。金属を中心として、新しい材料それ自体を開発することをテーマとして研究を進めています。最近では、軽量耐熱合金、高強度合金の創製と高性能化について、特に素材製造コストに注目して、産業副産物を利用した新しい高強度材料の作製プロセスの研究をしています。
また、セラミックスを主成分とする材料についても、その製造プロセスと組成、材料特性についても検討を行っています。
材料を作り出すだけではなく、材料がどのような性質(機械的、物理化学的)を持っているか、明らかにすることが必要です。今までにない新しい材料を作りだし、その材料特性を明らかにしていきたいと思っています。
岩井憲一(准教授:知能情報学・教育工学・音楽情報科学)
人間の情報処理過程をコンピュータ上で実現する。
岩井研究室では、知能情報学に基づいた研究を行っています。知能情報学とは、人間の情報処理過程を体系的にモデル化し、それをコンピュータ上でどう実現していくか(システム化)という内容に該当します。これまでに、教育・音楽などの各応用分野でシステムを構築していますが、Webサービスや知識ベースサービスといった知識処理関連研究など知能情報学そのものの研究についても行っています。
上記以外の分野・内容であっても、興味を持たれた方は一度ご相談下さい。
これまでの研究内容
- 指導案作成支援に関する研究
- 教師教育支援に関する研究
- e-Learning/WBLを利用した教育支援に関する研究
- 自動作曲・作曲支援システムに関する研究
- 知識ベースシステムに関する研究
- 構造化データに関する研究
岳野公人(教授:技術教育,環境教育)
ものづくりやプロジェクト企画・運営などを通した学習者の成長を心理学的な側面から分析する。
本研究室では、技術教育や環境教育における学習者の心理的側面について研究を行っています。学習の方法としてはものづくりの活動を取り入れています。特に,木材を扱うものづくりの場合には,森林環境からの恩恵としての木材と人間生活との関係性について,考える必要も出てきます。心理学的な側面では,作業中の集中状態,特に最適な経験と言われるフロー状態について研究を進めています。
これまでの研究内容
- ものづくり学習におけるフロー状態に関する研究
- 木材を利用した環境教育教材の開発
- ものづくり学習における学習者の意識構造の分析
- 落葉を利用した堆肥化の試み
服部昭尚(教授:情報収集・応用生態学)
情報収集とデータ解析により、生物の生育に適した景観構造を探る。
野生動物は身近な公園や河川などに幅広く生息していますが、在来種は生息地の破壊や外来種の導入により激減しています。ヒトと野生動物は同じ生態系の構成員であり、食性などの習性や生息地の構造、外来種の危険性を正しく認識すれば、共存は可能です。このための適応的管理技術を学びます。まず、身近なキャンパスや河川を対象に、情報を集めて分析する手法をマスターします。実際に動物の行動や成長特性に基づいて仮説を立て、光学機器等を駆使して情報を収集し、コンピュータを用いてデータ解析を行い、動物の生育に適した空間構造を探ります。水産生物や飼育動物に適した生育環境についても幅広く学びます。
卒業論文タイトルの例
- 小学校校庭における野外観察の試み-子どもの目線を活かした身近な生き物の教材化
- 琵琶湖南湖における景観構造のシステム分析‐水鳥の生息環境から沿岸域の重要性を考える
- 琵琶湖におけるコウモリの飛行空間の解析‐市街地における人工物の利用
- 大学周辺の住宅地におけるサワガニの好む景観構造‐生活用水路は生息地になりうるか?
穗積俊輔 (教授:シミュレーション科学)
シミュレーションを情報源として、さまざまな現象の真実に迫る。
コンピュータの発展は目覚しく、通常のパソコンでも驚くほど複雑な計算ができるようになっています。その結果、手の届かないような現象でも、従来では不可能であったほど詳細に理解できるようになりました。たとえば、銀河という太陽のような恒星が1千億個も集まった集団のモデルを作って、それが時間とともにどのように変わっていくのかというシミュレーションも容易にできるのです。このように、シミュレーションはどのようなことが起こっているかを解明する手段となっていて、現象を理解する心強い道具です。そのようなシミュレーションの技法を通してコンピュータ・プログラミングを学ぶことができます。さらに、シミュレーション結果をデジタル化すれば、目的に応じてさまざまに加工できるようになるので、視覚化による情報伝達にも応用できます。その代表例としてアニメーション技法も学ぶことができます。シミュレーションは、現象の理解と情報表現の基礎を学ぶ最適の技術です。
卒業論文タイトルの例
- WEBカメラを使った天体の撮影について
- デジタルカメラで撮影した月画像に基づく月の公転軌道について
- 天文教材を使った科学概念の理解
- web上での円盤銀河シミュレータの開発
松原伸一 (教授:情報学,情報学教育)
情報学は問題解決をサポートします。

※松原研究室のロゴマーク
最近は,「文理融合のメディア情報学」をコアにして,小・中・高に一貫したカリキュラム開発に関心があります。具体的な研究内容の例をあげれば,以下のようなものがあります。
- ディジタル環境が人間生活に及ぼす影響【環境情報学】
- メディアの本質に関する研究【メディア情報学】
- e-Learning/WBL (Web Based Learning)を利用した教育の在り方に関する研究【教育方法学】
- 情報教育における本質的な理解に関する研究【情報学教育】
- 高等学校 教科「情報」の教育方法・教育内容に関する研究【情報科教育】
- 技術科教育に関する総合的研究【技術科教育】
右田正夫(教授:ロボット工学,認知科学)
ロボットのシミュレーションや製作にコンピュータを活用する。
私は、動物の行動や意思決定の過程をコンピュータ上で再現し、ロボットの制御に応用するための研究を行っています。研究室では、学生一人一人が個人的な興味や教育現場における必要性などの多様な研究動機に基づき、プログラミングやデータ解析などに幅広くコンピュータを活用した卒業研究を行っています。
卒業論文のテーマの例
- ロボットによる複雑ネットワーク上の経路学習
- 中学校技術科の教材としてのロボット製作
- プログラミング学習におけるロボット利用の効果
水上善博(教授:コンピュータシミュレーション)
コンピュータシミュレーションで現象を解析する。
近年のコンピュータ技術の進歩に伴って、コンピュータシミュレーションは、現象を予測するための強力なツールとなりました。私はコンピュータシミュレーションを用いて様々な現象の解析を行っています。
研究対象としては、自然現象、社会現象など、幅広く興味を持っています。
具体的な研究内容は、コンピュータシミュレーションで物質の性質を予測する方法の開発やフラクタルに代表される複雑系科学の手法を用いた自然現象あるいは社会現象の解析です。これらのテーマに関するソフトウェア開発やアプリケーションソフトを利用した現象の解析などを行っています。
最近の卒業論文のタイトルの例
- 抗生薬の反応原理について
- 株価のフラクタル次元
- 粒子法に基づく流体のシミュレーション