国際理解教育専攻とは?
いま、小学校では、国際的な視野を持った教員、国際理解教育を推進できる教員、そして、外国にルーツのある子どもや日本語を母語としない子どもを支援できる教員が求められています。国際理解教育専攻では、学生と教員が一緒に考え、行動しながら、これら3つの現代的要請に取り組んでいます。タイで実施する約10日間の海外実習、国内での外国ルーツの子どもの学習支援実習、そして大学での様々な角度からの異文化理解に関する授業が有機的につながるようにカリキュラムが構成されています。
教員免許に関して
国際理解教育専攻では、卒業必要単位を修得すると小学校一種免許が得られます。加えて、必要な科目等を副免で履修することで、ほかの免許取得を目指すことも可能です。
卒業後の進路
国際理解教育専攻を選択した大半の学生が、教職、特に小学校教諭を希望しています。次に希望の多い進路は、教育系をはじめとする一般企業や公務員です。早期英語教育、日本語教育、国際開発等の知識を深めるために大学院進学をした卒業生や海外で働く卒業生もいます。
教員紹介
2名の主担当教員(于一楽、児玉奈々)と2名の副担当教員(藤田昌宏:美術・彫刻、渡邊暁彦:社会・憲法(比較憲法))がいます。
于 一楽(ウ イチラク/Yile YU)
みなさん、你好。私は、中国の南京で生まれ育ち、9歳になる少し前に日本に来ました。日本語を学習したという感覚はなく、いつの間にか出来ていて、自然と習得しました。そう、みなさんと同じなのです。でも、よく考えてみると、なぜ日本語が話せるようになったのか不思議でなりません。それが、言語に興味を持ったきっかけであり、いま、言語学をやっている理由の一つでもあります。その一方で、日本語を正しく使っているつもりが、実はいろいろな誤解を招いていた、なんてこともよくありました。なぜか。そこには文法を超えた言語と文化の関係があるからです。また、オーストラリアに留学したこと、韓国人と家族になったこと、そしてイタリアに心酔していることもあり、真の国際化とは何か、といつも考えています。固定観念から離れて、一緒に、国際化について語り合いませんか。
児玉 奈々(Nana KODAMA)
諸外国の事例を対象に教育と社会のつながりを考察し、教育や学校の本質について考える学問領域である比較教育学が専門です。
学校は子どもたちが幸せを感じ、夢を持って生きられる場所であるべきだと思います。私は学生時代、言語や文化・習慣の違いなどを理由に日本の学校生活になじめなかったり、心配事を抱えたりしている、外国にルーツのある子どもたちの存在を知りました。それ以来、どんな子どもでも幸せを感じ、夢を持てるような学校教育にするにはどのようにすればよいかということを、先住民、移民、難民などの様々な背景やルーツを持つ人々が共生するカナダの事例をヒントに考えています。
また、グローバルな時代には、教員になる人にこそ、多文化に対応する力や国際理解の力が不可欠です。学生のうちに海外留学や海外研修を通じて、異なる文化に触れ、国際感覚を養っておくことを、学生の皆さんに勧めています。