[初等教育コース]教育文化専攻

教育文化専攻とは

学校を軸としながら、家庭、地域、社会といった教育の場の広がりや相互の関連のなかで、そして人間の生涯という時間軸のなかで、教育を捉えなおす能力や教育者としての仕事を理解し今後の学校教育のあり方を構想できる能力を身につけた教員の養成をめざしています。そのために、教育の理念や制度といったフォーマルな観点に加え文化の側面からも生きた教育を多角的・統合的に捉えなおす能力を、また教育の場における現代的諸課題を主体的・多面的に洞察できる能力を、具体的な教育現実の省察を通して育成します。教育学および関連する分野の基礎的な学習はもちろん、学校および社会の多様な場における教育や学習活動を実践的に体験し、理論と実践の往還的学習ができる機会を多く設けています。

教育文化専攻の指導体制

教育文化専攻では、以上のような目的を達成するために、教育学および関連する分野の基礎をしっかりと学習する機会を提供するとともに、学校以外のさまざまな場における教育や学習活動を知り、また体験できるようこれらの実践場面に接する機会を数多く設けます。たとえば、青少年教育の施設、文化施設、養護施設、企業の生産現場、青少年矯正教育の施設などへの訪問、またここでの体験活動です。さらに、このようなことを、広く歴史的、また国際的な視野で考えられるような学習も行います。

 そして、何よりも、こうした力量の形成は日常的な学びの積み重ねが重要となります。そこで、1回生からプレゼミの時間(教育文化論)を設けて、早い段階から教育学の専門教育に触れる機会を設けています。4つのゼミをすべて経験し、そこでの学習を通して、自分の興味関心を明確化し、自分にもっとも適した学びのスタイルや研究課題を発見します。

スタッフ紹介

三輪貴美枝

専門分野
教育哲学(とくにドイツ教育思想研究)
研究テーマ
教育概念の変遷史、ドイツ敬虔主義教育思想、バーデン・ヴュルテンベルグにおける民衆学校史

藤村祐子

専門分野
教育制度学・教育行政学
研究テーマ
教員の職能開発、アメリカの教員政策

太田拓紀

専門分野
教育社会学・教師教育論
研究テーマ
教師の職業的社会化、近現代日本の教員社会史

神部純一

専門分野
生涯学習
研究テーマ
高齢者教育、地域の生涯学習システムの開発

 

カリキュラム:教育文化専攻で何を学ぶか

カリキュラム構成のイメージ

他の専攻において開講されている科目との知のコラボレーションにより多様な学習を実現したカリキュラム構成になっています。

基本的カリキュラム

1回生 2回生 3回生 4回生
教育文化専攻科目 教育文化論[必] 教育思想入門[選必]
教育行政学入門[選必]
教育課題調査法入門[選必]
社会教育入門[選必]
人間形成原論[選必]
教育行政学入門[選必]
教育現象の社会学[選必]
社会教育実践論[選必]
教育学専門科目[選必]
教育学研究法[選必]
卒業研究[必]
教職関連科目 教職科目
教育実習事前指導
教職科目
教育実習事前指導
教職科目
教育実習Ⅰ(主免/必)
教育実習事後指導
教職科目
教育実習Ⅱ(副免/選)
社会教育主事資格科目[*] 社会教育関連科目 社会教育関連科目 社会教育関連科目
社会教育実習
社会教育関連科目
教室行事 ペスタロッチ祭 ペスタロッチ祭 ペスタロッチ祭[main] ペスタロッチ祭

このようなカリキュラムを通して、小学校I種の免許状および希望する免許状が取得され、同時に教育学の各分野の基礎、すなわち、教育の哲学的、歴史的、制度的、社会学的、社会教育的な知見や理論を学び、さらに、現代の子どもと学校をめぐる様々な状況を検討しながら、現実的に対処する能力を獲得することがめざされています。
[*]印の科目について
教育文化専攻では、社会教育士資格の取得の有無にかかわらず、広い視野の獲得をめざして、社会教育に関する科目の積極的履修を推奨しています。

取得できる免許状

教育文化専攻では、卒業するために、小学校I種の免許状を取得します。そのほかには、幼稚園、中学校、高等学校、特別支援学校のI種あるいはII種の免許状を取得することも可能です。また、社会教育主事の基礎資格を比較的容易に取得できるようになっています。

卒業研究

4年間の学習成果をまとめるのが卒業論文です。教育文化専攻の卒業論文は、総じて、学校教育、社会教育、子ども文化、青年文化などに関する歴史的、哲学的、社会制度的な観点から行われています。そのテーマは広い範囲におよび、教育に関する様々な問題について、学生自身の興味関心や問題意識にそって比較的自由に追究することができます。以下は最近のテーマの一部です。

  • 小学校におけるキャリア教育
  • 金森俊郎のいのちの授業
  • 教育におけるボランティア活動
  • 児童虐待防止と学校の役割
  • 演劇における対話の意味
  • ファンタジーと人間形成
  • ヒルティの教育観
  • 小津映画における家族と家族感情
  • シンデレラの脱神話化—ディズニー文化に関する一考察—
  • 大きな物語の喪失と彷徨する青年—村上春樹『海辺のカフカ』を手がかりに−
  • インターネット社会における青少年の行動特徴とその原因に関する一考察
  • 現代青少年の〈生〉の実感に関する一考察
  • どうして悪は負けなければならないのか。−C.Sルイスの『ナルニア物語』における悪とその超克を手がかりとして
  • 地域の資源を生かした学校教育活性化のあり方に関する研究
  • 遊べる遊び場づくりの研究—冒険遊び場の取り組みを中心にー
  • 松下幸之助の教育観に関する研究
  • あいさつの機能とその教育的意義に関する一考察
  • 通常学級における特別な教育的配慮が必要な子どもへの支援に関する研究
  • 地域支援を受けた自然体験学習の実践に関する考察
  • 学習面に課題のある子どもへの地域力を生かした支援のあり方についての考察

卒業後の進路

これまで教育文化専攻を卒業した多くの学生は、小学校、中学校、幼稚園の教師になっています。専攻がその育成をめざしている広い視野をもった人々が数多く育っており、教育現場で活躍しています。そのほか、公務員、一般企業に就職する人もいます。また、近年は大学院に進み、さらに研究を進める人も増えてきています。