[初等教育コース]初等教科専攻 家庭専修/[中等教育コース]家庭専攻

概要

家庭科は、衣食住などに関する実践的・体験的な学習活動を通して、生活の自立に必要な基礎的・基本的な知識および技術を習得するとともに、家庭の機能について理解を深め、家庭生活をよりよく豊かに創造しようとする能力と態度を育成することを目標としています。本専攻・専修では、小学校、中学校、高等学校の家庭科でこれらの指導に対応できる専門的・総合的実践力を備えた家庭科教員の養成をめざしています。

カリキュラム

初等教育コース初等教科専攻・家庭専修:小学校1種免許

[教員養成基本科目]及び[教育参加科目]の中から必要な科目を履修し、さらに家政教育専攻・専修が開講する[得意分野育成科目]の中の教科内容学(家庭)の中から、各自の関心に応じて必要な科目を履修します。3年次秋学期以降からは、卒業論文の準備のために、卒業論文の内容に関連する科目(卒業論文指定科目)が始まります。希望分野の指定科目は必ず履修してください。4年次で卒業論文を完成させます。

中等教育コース家庭専攻:中学校1種免許(家庭)

[教員養成基本科目]及び[教育参加科目]の中から必要な科目を履修します。さらに、[得意分野育成科目]の中から、「教科教育学(家庭)」8単位 を含め、免許取得に必要な科目を履修します。3年次秋学期以降からは、卒業論文の準備のために、卒業論文の内容に関連する科目(卒業論文指定科目)が始まります。希望分野の指定科目は必ず履修してください。4年次で卒業論文を完成させます。

  

コースで何を学ぶか 得意分野の形成

  • 家庭科教育:初等家庭科教育法、中等家庭科教育法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、中等家庭科教材内容論、家庭科教材演習、家庭科授業論
    教材の作り方や実際の授業の観察を通して小学校、中学校、高校において家庭科(技術・家庭科)を指導するために必要な知識と技術を学びます。具体的には家庭科教育の意義やねらい、指導計画、学習指導方法、評価などについて学び、家庭科の授業の設計ができるようにします。
  • 家庭経営学:家庭経営学(家庭経済学を含む)、家族関係学、消費経済学
    これらの科目を通して、家庭科を指導するために必要な家族、消費、生活時間、家事労働、家庭経営に関する理論を学びます。
  • 被服学:衣生活科学、衣生活科学実験、衣生活科学実習、衣生活と環境
    講義、実験、実習を通して、家庭科を指導するために必要な被服に関する知識と技術を学びます。講義内容は、被服の機能、被服素材の性能、被服の活動適応性、被服の安全性、衣生活管理、衣生活と環境などです。
  • 食物学:栄養学、食品学、食物学実験実習、調理学実習
    講義、実験、実習を通して、家庭科を指導するために必要な食物に関する知識と技術を学びます。講義内容は、人間の栄養要求、発達段階と栄養、食品の機能、食品加工、食生活管理などです。
  • 住居学:住生活と環境、コミュニティと住環境、住居及びコミュニティ計画実習(製図を含む)
    家庭科を指導するために必要な住居に関する知識と技術を、講義、実験、実習を通して学びます。講義内容は、人間と住まい、住空間の形態、室内環境、住まいの管理、住まいと地域環境などです。
  • 保育学:保育学(実習及び家庭看護を含む)
    家庭科を指導するために必要な保育学の基礎を学びます。小児の発育・発達、生理、養護などです。
  • 家庭電気・機械および情報処理:家庭電気・機械、マルチメディアと授業改善
    高校で家庭科を指導するために必要な家庭における電気製品、各種機械・装置の仕組み、それらの利用状況について学びます。家庭おいても重要性が増してきている情報処理に関する基礎も学びます。

スタッフ紹介

久保 加織・・・ 食物学

専門分野は食物学です。「食べ物の嗜好性について」と「適切な食物教育とは何か」が主な研究テーマです。食品は、加工や調理をして食べ物になることが多いですが、その加工や調理が本来持っていた食品の成分をどのように変化させているか、またそのことにより、私たちが食べたときに感じるおいしさにどのような影響をもたらしているのかを探っています。さまざまな食品成分を分析するとともに、ときには嗜好検査なども行っています。一方、何をどれだけどのように食べるかを知ることは現在の私たちにとって非常に大切なことです。このことについて何をどのように教育していくのがよいかについても研究を進めています。

卒業論文題目:

  • ふなずしの発酵過程における成分変化
  • 食物油の加熱調理による変化
  • 調理実践と共食をとりいれた食育の効果
  • 高齢者施設に勤務する栄養士の伝統食に対する意識

田中 宏子・・・ 住居学

専門分野は住居学です。住まいの住み心地、居心地を高めるには、どのようにすればよいのか、研究のスタートは「快適な住まい」がテーマでした。しかし、近年、日本は毎年のように、地震、台風、洪水などの自然災害により、多くの人の命、生活基盤となる財産が失われています。住まいは、命と財産を護るシェルターです。その原点に立ち戻り、そして被害を少しでも軽減する為に「安全な住まい」にテーマを広げて研究をしています。そして子どもたちに、住まいをより安全に、より快適に改善する力を、どのようにして育んだらよいのか、家庭科における住まいに関する教育についての研究を進めています。

卒業論文題目:

  • 地震災害対応を組み込んだ家庭科授業の提案
  • 高等学校「家庭基礎」の教科書に於ける住生活領域の実験・実習教材の特徴と課題
  • 中学校家庭分野「住空間の構想」のための教材とその評価
  • 小学校家庭科「音と生活のかかわり」学習における指導用補助教材の作成

平松 紀代子・・・ 家庭経営学

専門分野は家庭経営学・家族関係学です。家庭や家族の在り方が多様化するなかで、男性も女性も各自の個性を生かして自己実現し、また社会の一員として地域社会に貢献してゆくことが求められています。1人の生活者としての主体性を育み、自分自身の人生 、家庭生活をマネジメントすることの大切さについて研究を進めています。

卒業論文題目:

  • 親子関係と不登校に関する一考察
  • 大学生の購買意欲の意思決定一ネットショッピングを通して一
  • 男女におけるジェンダー観の違いと性別役割分担
  • 乳幼児期の家庭における子育て環境を愛着形成

家政研究室をもっと詳しく・・・・・・

Q: 卒業生の進路について教えて下さい。

小学校・中学校・高等学校の教員としてだけではなく、幼稚園、保育園に就職する人もいます。また、学んだことを活かして民間企業に就職する人や大学院へ進学する人もいます。

Q: 学生生活について教えてください。

教科の特質上、実験・実習が多いためか、学生たちはいつも生き生きと楽しそうに活動しています。研究室の行事は、新入生歓迎会、卒業論文発表会、卒業祝賀会などがあります。学生の人数が10名程度と少ないので、学生同士の結びつきが強く、卒業してからも交流が続くようです。